１７才の凶悪犯罪

最近、２件続いて１７才の少年による凶悪犯罪が勃発した。この２件の犯罪には奇妙な共通点が見られる。犯人の年齢もそうだが、２件とも被害者は老人（女性）だ。またいずれの犯行もまるで顔見知りでない犯人により行われている。犯人はいずれも学生時代には成績が優秀だったようだ。このような事件は連鎖反応が伝染する事もあるが、今回のような凶悪な事件が単に伝染して起こったとは考えにくい。やはり犯人に何らかの資質なり原因があったとしか考えられないだろう。

以前からこの場でも繰り返し言ってきたことだが、現実離れした少年法はすぐに改正しないと凶悪化する一方の少年犯罪には対処できないだろう。どうして日本はこんないい加減な法律をそのままにしていて平気な国民になってしまったのか。このような法律をわが国に示したアメリカ自身がとうの昔に現実的な法律に改正しているのに、日本だけが旧態依然とした法律にしがみ付いているのは滑稽な気もする。

今度の国会でもすったもんだの末に少年法の改正が審議入りになったようだが、結局、成立は無理なようだ。一つには国会議員に弁護士が多く、彼らが反対する現実があるのだという。これが日本のどうしようもないところで、反対はするが代案は示さないという無責任さがまかり通っている。ではこの凶悪化する少年犯罪にどう対処するのかという事にはまるで意見が出されない。曰く「少年を更正させることが大事だ」、曰く「加害者の人権は尊重されなければならない」・・・このような御託はもうたくさんだ。

私の周りでも少年による犯罪は増えてきているが、どうにも許せないのは彼らがこの不備な法律を意識している事だ。つまり２０才までに殺人事件を犯して逮捕されても、死刑はないと充分に分かって犯行をしている。私の医院にかかっている患者もこの手の少年の被害に遭っている。ある時自動販売機でコーヒーを買っていたら、いきなり複数の少年に襲われ重傷を負った人や、コンビニの駐車場で目があったと因縁をつけられて少年に重傷を負わされた人など挙げだすと枚挙に暇がない。
最も怖いのは少年はなんの利益にもならない傷害や殺人を犯すことだ。暴力団なら利益にならない殺人は犯さない。精一杯警察を怖がっているし、死刑には恐怖を感じている。この辺りが少年の凶悪犯のたちが悪いところだ。

私はこのような被害者の悲惨な例を目にすると「殺人を犯すような凶悪犯の少年は更正するということより、一生刑務所にいて罪の償いをしなさい。」、「凶悪犯に被害者と同等の人権を求める権利はない。」と言いたい。優先されるべきは被害者の人権であり、加害者の人権はその後に考慮する第二次的なものでしかないと思う。

世の中には妙な人権家がいて、冤罪があるので加害者の人権を尊重しなければならないと訳の分からないことを言っている。しかし、これは本末転倒で冤罪は無くさないといけないが、凶悪犯には人権を声高に要求する権利はないと思っている。なんの罪もない他人の人権をその者自身が蹂躙しているのだから。

先日は少年による同級生をターゲットにした５０００万円の恐喝事件も起きたが、今朝の新聞によるとどうやら口封じで殺人まで計画していたようだ。このような時代になってきていることを理解するべきだろう。できるだけ早く少年法を改正するべきで、そうしないとこれからの凶悪な少年犯罪を抑止する手段がなくなるし、それだけ罪もない被害者を増やすことになると思う。いたずらに法案の先送りをするのは止めて欲しい。