田中県政

長野県の田中康夫知事が「脱ダム宣言」を表明して以来、議会や県庁の役人からも総攻撃を受けている。これは初めから予想されたことで、驚くことはない。大体、日本の国自体が公共事業で、過去の遺産を食いつぶして生きながらえているような状況だから、ダム建設で食っている者については反発は強いだろう。今回は身内の秘書が知事を裏切って議会の人間と密かに相通じていたようで、初めから対立している土木部長の存在もあり、知事も大変な状態のようだ。

しかし、６６０兆の天文学的な借金を返していくには、国から地方へのバラマキ政治はもう止めて、公共事業も不必要なものは止めるようにしないと、どうにもならない状態だと思う。田中知事には是非ここで踏ん張ってもらって、無駄なダム建設を止めるような道筋を築いて欲しい。議会も役人も、従来の公共事業には自分たちの存在がかかっているので、「脱ダム宣言」をそう簡単に容認することはないだろうが、ここは本当に大事な局面だ。日本全国からの応援が必要だろう。

このバラマキ政治では将来、日本は破滅的な状態になってしまうのは余程の目出度い政治家以外は分かっていると思うが、今止めると地方にはおいそれと他に収入の手段がない事もあって誰も止められないのか。今までに地方がちゃんと生きていけるように、起業を模索しておかなければならなかったのに、国からの助成金頼みでやってきたつけが一挙に出てきたようだ。

兎にも角にも、日本中で莫大な無駄遣いをしているわけで、長野県が端緒になって無駄なバラマキ政治を止める方向へ進むためには今回、田中知事に全力で頑張ってもらいたいと思う。この件の経過には日本の将来がかかっていると言っても過言ではないと思う。どう考えても役人や議会は反対するのは分かっているのだから、知事も県民や国民のバックアップを頼みに背水の陣で挑んで欲しい。

何処を見ても絶望的な日本のように思えるが、此処へ来て幾つかの地方が、ユニークな元気さを発揮しているのが一筋の光明と言えるだろうか。東京の石原知事、高知の橋本知事、長野の田中知事、まだ他に３〜５県で今までとはひと味違ったタイプの知事が登場しつつある。彼らには共通の特徴があり、いずれも霞ヶ関（権力）ベッタリの姿勢ではない。今までの知事は霞ヶ関との太いパイプを自慢にして、陳情でどれほどの金を持ってくるかが知事の評価になるようなところがあったが、彼ら新しいタイプの知事はその辺りがチョット違っているようだ。ちゃんと東京に対して主張すべきは主張している。

古いタイプの知事だと国から金を取ってきて、箱物を造ることに終始して、無駄遣いの構図はまるで変わらない。もう、このような政治家は選ぶべきではないと思う。そうしないと本当に日本の将来は危ない。我々国民もこのような新しいタイプの知事を選ぶべきで、日本中でバックアップして応援すれば、日本もまだまだ元気が出てくる潜在能力はあると思うのだが・・・・・。

兎に角、田中知事には捨て身で頑張って欲しいと思う。