またもや教科書が・・・・

どうして、日本はこう何度も同じ問題で海外から非難を浴びるようなことをしなければならないのだろう。それも以前と同じ教科書問題で・・・・。今回は「作る会」と言う何やら得体の知れないグループが画策して、問題を起こしている。その教科書を見てみると検定で散々修正を重ねているが、その基本には旧日本軍の犯した悪行をないものにしたいという狙いが明らかだ。

彼らはアジア諸国から何度も内政干渉を受けて、日本人の名誉や自尊心が傷つけられているので、教科書でしっかりした歴史を教えないといけないと言う。これは全く本末転倒で自分達がちゃんとした歴史上の反省をしないで、事実を覆い隠そうとするから何時まで経っても非難に晒されるのだ。そのあたりが、まるで分かってないようだ。

今回、「作る会」作成の教科書の原稿には「韓国併合｣を正当化したり、太平洋戦争そのものを正当化しようとした意図が覗われる。そして、他の多くの教科書からも「従軍慰安婦」、「侵略戦争」、「南京大虐殺｣などの記述が姿を消してきているのは（出版社の自主規制だということだが）明らかに政府側の意向が働いているのだろう、どうも雲行きが怪しい。

どうして、日本はこのような愚行を繰り返すのだろうか？　ドイツはナチスの蛮行で世界中から非難されたが、戦後は徹底的に過去の歴史を反省して今だにナチスの残党を追及しているし、教科書もドイツが侵略した周辺７カ国の歴史学者と一緒に編纂している。ここまで徹底的に反省しても、今だに侵略を受けた国からは折に触れて警戒されるものなのだ。戦後、岸首相のように戦犯から総理になったり、教科書を歪曲化して侵略がなかったように持っていこうとしているわが国とは大違いだ。

日本は今だに大臣や学者が「太平洋戦争は侵略戦争ではなかった」とか「南京大虐殺はなかった」と言っているレベルなので、アジア諸国から強烈に非難されて当然だろう。それを「何時までも反省を強要されて不愉快だ！」とか「一体、何回反省したら良いのか？」と言うのは、全く反省する気持ちがないと思われて当たり前だろう。

こう考えてくると、わが国は本質的に帝国主義的資質があるのかもしれない。これは私がそのように思うくらいだから、アジア諸国は相当な警戒感を抱いているに違いない。多分、今回、「作る会」の教科書が検定をパスしたことにより諸外国から非難を受けることになると思うが、いったい編纂した学者も何を考えているのだろうか？　同じ日本人として全く恥ずかしい限りだが、彼等の化石化した頭脳はどうしようもないだろう。せめて教育委員会がその教科書を採用しないように祈るだけだが・・・・。