視察旅行

またまた、やってくれたようです。 「毒物混入事件」でその対応に必死になっているはずの和歌山の市議団と市の職員が「ねぶた祭り」の視察旅行に行っていた。 以前から機会がある毎に言ってきましたが、上は国会議員から下は町会議員にいたるまでこの視察旅行とはいったい何なんだろうか。 視察なんかは名前だけで物見遊山なのは周知の事実だが、それにしても揃いも揃って観光地ばかりに行っているのは｢おまえら、ええ加減にせーよ！」と言いたくなる。

こんな事件の最中にまったく危機意識の欠如しているのはいつもの事でこんな輩のために税金を払っているわけではないのだが。
この税金の無駄遣いはどれくらいになるのだろう。考えるたびにまったく腹立たしい。
大体、視察旅行が観光地ばかりと言うのがおかしい話だ。海外で言えばヨーロッパやアメリカは止めてアフリカやボスニアの内戦や飢餓の状況、国内なら景勝地ではなく水害や公害の現場、今度の和歌山の｢毒物混入事件」の対応を調べるために和歌山に行くというのが本当の視察だと思う。

議員の旅行を議員が制御するのは不可能だろうから、これはオンブズマンに頼るしかないだろう。最近、全国的にオンブズマンの活躍は目を見張るものがあるがこれをもっと充実させて議員や役人の監視を強めていく必要があると思う。
日本のように税金を取り放題に取ってあぶくのように無駄使いしても、納税者から何のクレームも付かない不思議な国ではこのままだと際限なく無駄遣いが増えていくことだろう。
どうして日本人は怒りを忘れたのか。歴史を見ても元来こんな国民ではなかったように思う。戦国時代の勇猛果敢な状況は極端にしても、もっと感情を素直に表現していたように思う。

どうも江戸時代が悪かったように思う。いっきに中央集権化が進み、お上の目を気にして生きるようになったこの時代がターニングポイントの
ように思われる。この時は江戸幕府の機嫌を損ねるとお家断絶につながるので諸大名は幕府に極端なほど気を使った。それが基本的には以後ずっと続き、今では世界的に見ても珍しいほど従順な子羊の群れになってしまったようだ。
これは政治家にとって天国だろう。よほどの事がない限り国民が政治家を糾弾する事はなく、自分の蓄財に精を出していれば良いわけだ。
まあ、しかしその選挙民以上の政治家は出てこないと言われるから結局、我々選挙民が馬鹿なんだろうが。

しかしオンブズマンにはまったく頭が下がる。彼らがいなければ官官接待やカラ出張も明らかになる事はなかった。この点、新聞などのマスコミはまったく情けない。本来、マスコミの使命である筈のこういう不正の追求をオンブズマンに頼ってそこで出てきたネタで記事を作っている。その追求も迫力のない事と言ったらさみしい限りだ。

話があちこちに飛んで収拾が付かないようになってきたが、これで飯を食っているわけではないので拙文を勘弁してもらいたい。言いたかったのは議員の視察旅行は止めにしてもっと実のあることに税金を使うべきだし、それにも増して日本人よ、なぜ怒りを忘れたのかという事だ。
去勢された牛のようにただ周りの者にくっ付いて行くだけでなく、必要な時には自分の判断で怒る事も必要だと思う。