ワールドカップ２

日本チームの活躍で、国中が大いに盛り上がっていた今回のワールドカップだが、遂にトルコに惜敗してしまった。と言っても、まさか日本チームがここまで来るとは、専門家でも思ってなかったと思う。サッカーの世界では日本は弱小国で、イギリスのオッズを見てもかなり下位チームと思われていたし、実際、国際大会でもそれなりの成績しかあげてなかった。サッカーの技術や身体能力をとってみても、とても決勝リーグに進めるチームとは思えなかった。やはりJリーグ創設以来、着実に実力をつけてきたのだろう。

ただし、韓国などと比べると本質的に力強さに欠ける嫌いがある。韓国の予選リーグの強さは堂々たるもので、今の韓国ならどこのチームと当たっても互角以上の戦いが出来ると思う。その点、日本の場合はある程度クジ運に恵まれないとベスト８には進めなかっただろう。残念だが、今の日本チームは地元開催の有利さはあっても、所詮その程度の力なのだ。と言っても、前回大会では日本は全敗で引き分けの勝ち点１さえなかったのだから、この４年でかなりの進歩を遂げていると思う。

韓国の対戦したイタリアと日本の当たったトルコでは実力的にはかなりの違いがある。そのイタリアを堂々とぶち破ったのだから、今の韓国チームの力は凄いと思う。実は昨日の段階で、私はこの原稿をある程度書いていたが、基本的にはあまり修正しなくて済んだ。と言うことは、この２チームについての私の試合予想はほとんど当たっていた。やはり、日本はベスト８に残るチームではなかったと思う。

昨日の試合でも韓国と比べても、次の点が特に目に付いた。
１、 フィジカル面が弱い。
２、 ボールキープ力が弱い。
３、 一対一の場面で弱い。
４、 ドリブル突破で局面を打開できず、直ぐにパスを出してしまう。
５、 ヘッディングに弱い。
これらはお互いにかなり絡んでいて独立した問題ではないが、結局、個人の身体能力や技が決定的に劣っていると思う。

これらは４年後のW杯でもっと上を目指すなら、絶対に修正しなければならない問題だ。日本は今までこの様な問題を組織的なプレーで補ってきたが、この決勝トーナメントのレベルに来るともうそれは通用しないだろう。やはり、個人が強く上手くならないと組織力だけでは解決できないと思う。昨日、韓国の選手がイタリアの選手をドリブルで突破したり、パスを受けてそのまま相手をかわしてシュートまで持っていく場面を見て、なお更その感を強くした。日本の選手ならまず間違いなくパスを出す相手を探したり逃げたりする場面で、韓国の選手は個人で相手をかわしたり突破していた。サッカーは極限の場面では個人の突破力がものを言うことが多く、これがないと昨日のトルコのような守りを固めた相手から点を取ることは困難だろう。

その打開策だが、私の独断と偏見で提言すると、身体能力の優れた選手を大量にサッカー界に取り込むか、サントスのような帰化選手を受け入れることしかないと思う。だいたい、日本はプロ野球の世界に素質のある若者が大勢入りすぎている（そしてその多くは表舞台に立てずに球界を去っていく、まったく勿体ない！）。その若者のうち半分が学生時代からサッカーやゴルフの世界に入っていくと、それぞれ世界的なスターが輩出されると思う。ヒディング監督が就任して１年の韓国は、これからもっともっと強くなる。たぶん次回ドイツ大会のW杯も決勝リーグに残るだろう。日本も本腰で個人の力を強めないと、自国開催でない次回は参加さえ出来ないかもしれない。もう、組織力の鍛錬で乗り切るサッカーは限界だろう。