ジョイナー
　

今朝の朝刊を見ていたらフローレンス･ジョイナーが急死したことが報じられていた。ソウル五輪での活躍は素晴らしかったしその容貌もあってその後かなりマスコミにも引っ張りダコだったが私はどうも気に入らなかった。

それは彼女がステロイドを使用していた可能性が高いからだ。ジョンソンは石持て追われるがごとくに去っていったがジョイナーはステロイド疑惑が出たら絶頂期であるにもかかわらず急に引退会見を開いてマスコミに登場し続けた。
あの体はステロイドの賜物だろうし、今度の死因も心臓発作としか書かれてないが多分ステロイドが原因に関わっていると思われる。

彼女は２０才代前半までは２流選手だったのが突然体つきが変わって超一流のスプリンターになった。命と引き換えに表舞台に立ったわけだがまだ３０才代での死はステロイドの恐ろしさをまざまざと教えてくれるものだ。
アーノルド・シュワルツェネッガーも先日、心臓の手術を受けたがやはりこの薬の使用者は心臓の副作用を持つものが多いようだ。

死者を鞭打つようで気分はあまり良くないがジョイナーにしろマグワイヤにしろ問題になるのは公平さだろう。副作用で病気になったり死んだりするのは承知の上で使っているので自業自得といえるがステロイドを使う人間と使わない人間が同じ土俵で勝負をするのはどう見ても公平でない。 その意味でシュワルツェネッガーの場合とはだいぶ意味合いが違うと思う。彼は観客に見せるのが商売だから他人と競技しているわけではないので。

日本のマスコミはステロイドについてまるで気にしてないでＣＭでもかなり登場していたがこのことはもっと重大に考える必要が有ると思う。 まあ、日本のマスコミはフェアということを重要視しないのでアメリカで問題にならない限りこのようなことを問題にすることはないと思うが。

多分、マグワイヤの使っているステロイドも何年か先には使用禁止になると思うが、そうなるとその後の記録とマグワイヤの記録は区別して評価する必要が有るのではないか。それくらいの差が有ると思う。

オリンピックで何度も禁止してもステロイドを使うものがいて、検査精度とステロイド剤の開発のイタチごっこが続いているのを見るといっそのことステロイドを解禁して好きにやらせてみては、と過激なことを思ってみたりもする。

そうでもしないとフェアな環境は作りにくいのではないだろうか。 地道に練習に明け暮れたものが勝者にならずに、上手くステロイドを使った証拠を隠した人間がオリンピックで優勝するというのではあまりに空しい競技になると思う。