スクラッチ選手権

ニフティ・サーブのゴルフフォーラムで最大のイベント：スクラッチ選手権が９月７日に福岡市近郊のクイーンズヒル・カントリークラブで開催された。ハンディキャップなしのグロスで争われるこのコンペは、これまで年に一度関東や関西で開催される事が多く、私は日程的に参加できずにいた。今回は始めて地元福岡で開催されることになり土曜日開催という問題はあるものの、この機会を逃すとこの先ずっと参加できないと思い、清水の舞台から飛び降りるつもりで参加を決めた。

この大会はゴルフフォーラムに参加している全国のゴルファーが指折り数えて待ち望んでいるコンペで、前日の下見ラウンドやその夜の前夜祭（オフ）、大会当日の本戦とその夜のオフというスケデュールなので２〜３泊してラウンド２回、宴会２回をこなすことになる。費用も時間もかなり必要なイベントだ。この辺りがネックで参加できないゴルファーも多いことだろう。私もその一人で今まで指をくわえて見ていた一人だったが、実際に参加してみるとこれが非常に魅力のある催しだった。

私などは普段、関東や関西に遠征してこのフォーラムのコンペに参加する事はないので、九州地区のメンバー以外をあまり知らない。おまけに人見知りが強い方なので、見知らぬ他人と直ぐに打ち解けて話すような状況にはなりにくい。ところがこのメンバーは共通の趣味ゴルフをこよなく愛する者の集まりであるのと、直接会ってなくても日頃ネット上でコンタクトを取っている者もいて、私でさえ打ち解けるのにそれほど時間もかからなかった。全国から８０〜１００人くらい集まってきて、２〜３日のイベントを楽しむ訳だから盛り上がりも凄かった。ゴルフも酒も好きな事では人後に落ちない私としては、非常にエンジョイし満足した２日間だった。

私は金曜日の仕事を終えると直ぐに夜のオフと土曜日の本戦とその夜のオフに参加した。始めて九州で開催されるためか、私のように初参加は意外と多くて、金曜日の前夜祭はそれぞれ手作りの名刺交換（全員、本名ではなくハンドルネームで通すので、それ用に名刺を作ってくる）をして挨拶が交わされていた。少し遅れて参加した私も、取り急ぎ近くの参加者達と名刺交換をして、食事や談笑でその場を楽しんだ。ゴルフ談義をしながらの食事は美味いし、酒も格別だ。翌朝は早いので、１１時頃にはホテルに戻って早めに床に着いた。

翌朝は６時に起きて身支度を済ませ、小型バスに乗り込んだ。同乗者はその日のコンペのコース攻略を練ったり、ある者は昨日の前夜祭の話で盛り上がったりで興奮気味だ。ゴルフ場に着いてみると、台風なみの強風が吹いていた。練習場で球を打っているうちに次第に興奮状態になっているのが分かる。そのうち自分たちの組のスタート時間が迫ってきた。遂に私の番が来て、緊張しながらもティーショットを放った。これは結構ナイスショットで、良いポジションにドライブを放った。この日の出足は絶好調で、５ホールまではパー、バーディー、パー、パー、パーと好スタートが切れた。この強風の中でのこのスコアは全く予期しないほど出来すぎのスコアだ。

ところが好事魔多し、の例えのごとく６番ホールで８の大叩きをしたのを合図のように、ぱったりとパーが取れなくなってしまった。それでも前半を４１で収めたのはその日の強風を考えると、それ程悪くない。後半はさらに強くなった風の影響とドライバーのフックが頻発して４４を叩き、結局１０位の成績で終了した。トップテンに入るのは一応目標にはしていたものの実現は難しいかなと思っていたので、これは私の実力からすると充分に健闘したと言えるだろう。勿論、振り返ってみると、ケアレスミスさえなければもっとスコアを縮めることが出来たと反省する点も何ヶ所かあったが、あの強風の中、集中力を切らさず８５でラウンドしたのは自分を褒めても良いほどの忍耐力だったと思う。

その夜のオフは１年間目指していた大会が終わった開放感もあり、前夜祭と比べてもさらに盛り上がった宴会になり、本当にこのイベントに参加して良かったという感を強くした。来年は関東か関西で開催されるのだろうが、出来ることなら年に１回のこのコンペは是非参加したいものだし、またその魅力には病み付きになりそうなものを感じたイベントだった。