毒物混入事件

和歌山の保険金詐欺事件の容疑者が逮捕されて各社一斉に顔写真や名前を発表し出した。法律ではそのようになっているのだろう。
それにしても凄い事件だ。日本の犯罪史上希に見る事件になると思う。「策士、策におぼれる」という感じだがこの事件はこれからが本番で大変な経過をたどるのではないだろうか。

アメリカでは起訴されても９割が自白無しという。日本では逆に９割が自白して起訴される。日本では自白を支える物証を掴む事が重要になるのに対し、アメリカでは自白がまず無いので状況証拠をいかに構築していくかが重要になってくる。

今まではそうであろうがこれからの犯罪はアメリカ型に変わっていくと思う。三浦和義事件でも自白はなかった。 多分、今回も自白はないと思われる。こうなると今の裁判では彼らを裁くのは難しいと思われる。特にカレー事件の方は無罪にしかならないのではないだろうか。

優秀な日本の警察、検察がどこまで追求していけるかにかかっているがやはり限界があると思う。日本の裁判も状況証拠を採用するようにしないとこれからの犯罪には対処できないのではないだろうか。
冤罪の発生率が上がるとかの論議はまた出てくると思うが物証主義だと冤罪はないというわけではないだろう。現に物証主義のもとでかなりの冤罪が発生している。

そうしないとこれからは検挙率はどんどん下がって国民のフラストレーションも溜まっていくのではないだろうか。状況証拠は真っ黒なのに物証が無いばかりに無罪放免というのであれば証拠さえ残さなければ何をしても良いという風潮になっていくと思う。
それでなくても毒物混入事件は検挙率が極端に低い。今回もし毒入りカレー事件が解決できないと連鎖反応が次々に起こっていく可能性がある。既に模倣犯がかなり出ているが。

それと保険金詐欺も徹底的に解明する必要がある。。今回明らかになったのはあまりに保険会社がこの種の犯罪に対して無防備だという事だ。あんなに簡単に審査でも通していると犯罪を誘発しているようなものだ。 もっと厳しい基準を作っていかないと今後次々の同様の事件が起こっていく可能性があると思う。

どちらにせよ今回の事件はある意味で今後の犯罪を変えていくきっかけになるような事件だと思う。こんなに簡単に１８億もの詐欺が成功してカレー事件が無ければ誰にも分からなかったなんて犯罪者が大喜びしそうな要素が詰まっている。

警察もこれからは大変なのでは。それだけにそれを支える法律の整備が急がれると思う。 こういう事を言うとまた人権家が被疑者の人権を保護しないといけないと言い出すに決まっているが最も保護されないとならないのは被害者の人権なのであってそれを忘れてはいけないと思う。少年法にしても現代の社会に対応できてないと思う。欧米並みに法律を変えていく必要があるのではないだろうか。