老害

毒まんじゅうが乱れ飛ぶと言われた自民党総裁選も終わり、小泉首相の再選が決まった。野中元幹事長の女々しいまでの陰謀もどうやら失敗に終わったようだ。そもそも野中代議士本人がこれまで毒まんじゅうを駆使して、自民党の代議士を自分の都合の良いようにコントロールしてきたのではないか。その本人が小泉首相降ろしに関して自分の思う侭にならない腹いせに、それまでの自民党の内部事情をぶちまけて最後っ屁をかましたに過ぎないと思う。

この野中という代議士は以前から人格的に尊敬できなくて嫌いな政治家だったが、今回の騒動でなお一層その感が強くなった。政界の狙撃手と言われるほど権力を傘に着た個人攻撃が激しいし、ヒステリックな脅しや恫喝を駆使して手段を選ばない手法は嫌悪感さえ覚えるほどだった。それが自分だけが正しくて、他の者は間違った道を進んでいるという論には呆れかえる。まさに負け犬の遠吼えそのものだ。彼なんかは老害の最たるもので一刻も早い引退をお勧めする。

労害と言えば、４９歳の安部幹事長というビックリするような人事があり永田町を驚かせているが、そもそもこの驚き自体が自民党の異常なところだと思う。世界中の指導者を見渡してみると、４０代のリーダーは当たり前と言ってよいくらいだ。イギリスのブレア首相、ロシアのプーチン大統領、ドイツのシュレーダー首相など総て４０代だし、前米大統領のクリントンや古くはケネディ大統領も４０代での就任だった。

その点では日本は政治システムが明らかにおかしいと思う。５回以上選挙での当選を繰り返すと大臣の候補になり、その後に党の要職について力を蓄えていって、次第に総理総裁の候補になっていく。こんなことでは総裁の候補になるのに６０歳を超えてしまう。４０代の首相など夢物語になってしまうだろう。自民党のシステムがこのように現代の社会の実情に合ってないのだ。やはり何度も言っているように一度、自民党以外の党への政権交代が是非とも必要だと思う。日本の隅々に巣くった垢やゴミを一掃するにはそれしかないだろう。既に病根を一つ一つ治していく治療法では間に合わないほど日本の病気は重症化している。

どうして日本はこのように老害が蔓延るのだろう。そう言えば、日本医師会も理事の定年制について盛んな議論が交わされていたが、何のことはない、最終的に定年制については老齢の理事自身により否決されてしまった。結局、従来どおりに古狸が実情に合わないままの頭で、国民の賛同を得られない主張を続けていくのだろう。未だに国民の理解を得られないのはマスコミや患者の誤解のせいだと言っているようでは、この先の展望は真っ暗だ。古狸にはその辺りがまるで分かってないのだろう。

巨額の政治献金を自民党に捧げ尽くした挙句何度も足蹴にされ続け、それでもすがっていく姿は情けないを通り越して哀れさを感じる。そうまでして守らなければならない既得権益があるのだろうか？　とてもそうは思えないのだが。これも日本中に蔓延っている老害の典型的な例だろう。　

今はこのような日本中を覆った老害を一掃する台風が起こることを期待して、１１月の選挙を待ち望みたい心境だ。