珠海で何が？

９月１７日、中国の珠海へ慰安旅行に行ったある建設会社の３８０人の日本人が中国人の女性５００人をコンパニオンとして接待させて、その後彼女らと集団買春騒ぎを起こしたとして当地のマスコミを騒がせている。中国のマスコミの伝える内容もかなり相違点があり、その建築会社の言い分も中国の報道とはかなり違っているので今のところどれが本当なのか分からない面がある。ただし、その会社としても１００人〜２００人の中国人コンパニオンを動員していて、パーティの後で一部の社員が良からぬ行為に走ったことは認めているようだ。

買春があったら当然だが、なくてもこのように大勢の中国人女性を動員するとその地の住民感情がどう反応するのか分からないのだろうか。それでなくても翌１８日は日中戦争の発端となった柳条湖事件が起こった日ということで、中国人の心情にはデリケートなものがあった時期だった。そういう時にこんな派手な行ないをすれば中国人はどう反応するのかという感受性をまるで持ち合わせていない。これは６０年以上前に日本人が中国で行なった蛮行と根っこは同一なのではないだろうか。

歴史教科書問題などで不適切発言をして中国や韓国から攻撃されると詭弁を弄してやり過ごそうとする日本だが、こんなことがどれほど彼らを侮辱しているのか想像だに出来ないのだろうか。「開放感に溢れた海外旅行でも、日本人は本能を抑えて聖人君子の如く行動するべきだ！」と言うつもりはないが、日本人は同じことをするにもあまりに集団で行動し目立ちすぎると思う。珠海は中国の大歓楽街で多分欧米人も大勢やって来ていて、そんな彼ら皆が品行方正に行動しているわけではなく中には良からぬ事をしている欧米人もいるはずだ。ただし、彼等は個人行動が多く、男だけ大勢で押しかけて買春に興じることはないので、どうしても日本人の傍若無人さが目立つことになる。

また今回の問題には日本人のアジア人蔑視が大きく影響しているように思われる。例えば、ヨーロッパで日本の会社が今回行なったように大勢の白人女性をコンパニオンに動員して、その後彼女らを同伴して街に繰り出すということが起こりうるだろうか。まず同様な事は起こらないと思われる。欧米では比較的行儀良くするくせに、一旦アジア諸国に行くと傍若無人の行動をとる。まるで日中戦争の時代と同じ状況だが、こういう事がアジアの国々で反感を買うことにまるで不感症になっているとしか考えられない。

日本の建設会社は報道を否定しようと必死になっているが、どうも分が悪い。舞台になったホテルは中国政府によって営業中止になっていることからして、まったく根も葉もない話ではなくむしろ報道に近い事実はあったように思われる。そもそも男だけの大集団で大歓楽地珠海に押しかけている事自体が一般的に考えて誤解されやすい行為だ。私の周辺にも旅行パックで韓国の〇〇パーティに行って酒池肉林を楽しんできたとを吹聴する者も居るが、遊ぶにしても現地の人の反感を買うような傍若無人さを見せつけるのは日本人として止めて欲しい。何故か日本人の遊びは品がない気がしてならない。