オンブズマン福岡

最近、福岡県でも警察の裏金疑惑事件や自治体の不祥事など公的機関の不正疑惑が取りざたされる事が多く、そういう時にしばしばマスコミに登場するのがこのオンブズマン福岡の代表幹事のＫ 氏だ。 彼は実は私の高校時代の同級生で、３年生のときは同クラスだった。 以前は彼がこのような活動をしているのはまったく知らなくて、こちらに戻ってきて偶然テレビを見ていて気がついた。現在の彼はかなり痩せていてブラウン管に映った氏名を見て初めて分ったような次第だから高校時代とはかなり容貌は変化している。高校時代の彼はもっとふっくらしていて 端正な顔立ちだった。

彼とは高校の１年と３年の２年間同じクラスだったと思うが、彼についての高校の時の印象はとにかく頭脳明晰だったというものだ。高校の３年間、彼はブラスバンド部に入っていて熱心にトランペットを吹いていたが、勉強に関してはあまり熱心にしていた感じではなかった。しかし理数系はかなり成績が良くて、これは持って生まれたものが大きかったのだろうと思う。彼について一番印象深いのは高校３年の夏のことだ。私達の居た下関西高校は進学校で受験に備えての勉強はかなりハードだった。夏休みも課外授業がぎっしり組まれていて 、ほとんどの生徒は課外授業で揉まれていた。ところがＫ君は課外授業に出てこなかった。出席簿では彼は私の すぐ後ろだった筈で、彼の居ないのにはすぐに気がついた。

ところがある日、課外授業の休み時間に校内を歩いていて、部室でトランペットを吹いている彼に気がついた。そう言えば課外授業の間中トランペットの音が鳴り響いていた のを思い出した。高校時代の彼はそんな感じの余裕のある生活を送っていた感じだった。彼は九州大学の工学部が志望校で、その頃の彼の成績からするとそれほどシャカリキにならなくても合格すると 考えていたのだろう。普通ならそういう場合はもっと上の大学を目指すのだろうが、そのあたりが彼の人柄だったのだろうか。そして翌春には当然のごとく九州大学の工学部を受験して合格した。そして驚いたのはその時の彼の入試の成績だった。

その資料を見たときは、私は既に熊本大学を落ちて浪人生活を送っていた。進学指導用に高校がまとめた入試のデータを見た私は驚いた。と言うのも彼の九州大学工学部での獲得点数は工学部の合格点をはるかに上回っているのは当然として、医学部の合格点をも余裕で超えていたのだ。当時の （今もそうだろうが）九州大学医学部の合格点は相当高くて、我々の高校では同級生で首席卒業のＴ君が一人合格しただけだったからその驚きは大きかった。前述したようにＫ君は頭は良かったがそれほど勉強する タイプではなかったから、高校時代の成績は私と同じくらいだったと思う。そんな彼がそこまで成績を伸ばしたのは 、多分能力的には余裕があって受験直前の勉強で驚異的に実力をつけていったのだろう。確か工学部の造船科のほうに進学したはずだったが、何年か前に同窓会で再開したときは予備校の教師をしているという事だった。

日本全体がそうだが、福岡県もいろいろと自治体の不正疑惑が多いところだ。そういうなかでこれまでのオンブズマン福岡の活躍は見事で、彼らの活躍があるお蔭で多くの不正が暴かれたり、中には汚職の抑止力として作用したこともあっただろうと思われる。その中心になって活動している彼にはあの鋭い頭脳で不正をトコトン追及していって欲しいものだ。納税している県民として私もこういう活動をして みたいという願望もないわけではないが、現実の日常業務に追われてなかなかそういう活動が出来ない。陰ながら彼を応援する事くらいしか出来ないことには内心忸怩たるものも感じている。そういう次第 なので彼のような人物を同級生に持っていることは誇らしいし、これからも彼には健康に気をつけて精一杯頑張って欲しいと思う。