ナベツネ辞任

日本中がオリンピックで盛り上がっている時にこんな話は少々気が引けるが、読売のナベツネ（渡辺常夫）が辞任した。明治大学野球部の一場投手に巨人サイドから２００万円が渡っていたことがその理由だが、これは取ってつけたような理由で真相はもっと別のところに あるものと思われる。もっと大きくてそれが分かると巨人軍のオーナーどころか読売新聞社での地位まで脅かされる ようなスキャンダルがある可能性が高い。それを避けるために、一場投手はナベツネが辞任する道具に利用されたようなものだ。どこまでも汚い人間なんだろう。結局、一場投手はアマチュア野球界から追い出され、プロに入る場合でも初めからダーティなイメージは避けられないだろう。

このようにナベツネはあれだけの強い発言力を持っていながら、今まで決して野球界全体を考えて行動してきたことはない。総て巨人軍のための発言であり行動だった。その主体となるものがフリー・エイジェント（ＦＡ）制とドラフトにおける逆指名制の導入だった。これは明らかにジャイアンツがアマチュア 及びプロ野球界のスター選手を独占的に獲得するためのシステムで、さすがにこれには他の球団が反対したが、その時ナベツネは巨人のプロ野球界からの離脱をほのめかして脅した末に無理やり導入を決めたものだった。

案の定、この二つの制度のおかげで巨人にはアマチュアやプロのスター選手が大勢押し寄せることになり、現在の巨人軍を見てもわかるが巨額の資金を元にして金になびく選手はほとんどジャイアンツに触手を動かす状態になっている。ヤクルトの 古田選手などのように反骨心を持っている選手は別にしてほとんどの選手は巨人にベンチャラをかましている。このような腰ぎんちゃく選手ばかりでは夢の球界とは言えず、志のある選手は続々とメジャーリーグに行っている。そんな日本のプロ球界にはもはや魅力はなく、視聴率も下り坂を 転げ落ちるように下がり続けている。一場投手もメジャーに行ったら良いのだ。彼ならメジャーでも十分にやれると思う。

そうは言っても、メジャーリーグに行った大魔人佐々木などは日本球界に帰ってきたではないかと反論があるかもしれない。しかし彼はもはやメジャーでは通用しなくなって日本に帰っ てきたに過ぎないと思う。私は初めからそう思っていたが、今の彼のボールでは日本でもしんどいと思う。春からこれまで大魔人という名前だけで投げている状態だ。シーズン初めには居酒屋でそんなことを言っても一笑に付されるだけだったが、最近のように出るたびにボコボコに打たれるようになると「 お前の言うことはまんざら出任せでもないなあ」との反応だ。挙句の果てには佐々木本人が引退を口にするような有り様だ。やはり実力は自分が一番判っているのだ。

それにしてもナベツネ一人にグチャグチャにされる日本プロ球界とはなんと底の浅いつまらない組織なんだろう。この球界に対する処方箋は一つしかないと思う。今後ナベツネに院政を張らせずにトップに野球に精通した若手のやり手を持ってきて、 球団経営を今の社会では力のなくなった企業からライブドアなどの元気のある企業にバトンタッチする。世の中は変わっていくのだから、私鉄や新聞などからＩＴ関連企業 などへ球団経営も変わっていくべきだろう。こうすると再びプロ野球も隆盛を極める可能性が残っていると思う。どの分野でもたまには大掃除が必要だろう。