楽天とライブドア

オリックスと近鉄の合併のためにパリーグが５球団になるのに伴い、どうやら新球団が誕生する模様になった。その候補は楽天かライブドアになる公算が高いが、その２つの会社とも仙台をフランチャイズにしようとしているのでどうやら二者択一になりそうだ。これはそもそもライブドアが仙台に決めていたのに対して、楽天のほうは神戸や大阪を目論んでいたのがだめになり慌てて仙台に軌道修正した経過がある。そのためか仙台市民には圧倒的に評判が悪く、ライブドアを推す声が多い。やはり他がだめだからしようがなく仙台にきたと受け止められているのだろう。

私はこれとはまったく別の理由で楽天よりはライブドアを推したい。と言うのは、楽天の三木谷社長は昔からどうも好きになれないからだ。世間ではこの方面にあまり知識がないようで、新聞などのマスコミは２人とも　ＩＴ界の寵児などと表している。ライブドアの堀江社長はまさにそのような形容で問題ないと思うが、三木谷社長は実際はそのような人間ではない。それは二人のファッションを見ても分かると思うが、三木谷社長は銀行マンからの転出で財界人の間を泳ぎまわってその力を利用して会社を成長させた人間だ。彼はアメリカでインターネット関連の新規事業が発展しているのに目をつけて、それと同じシステムを日本に持ち込んだら成功するに違いないと思った。そしてほとんどそのまま持ち込んだが、資金的には銀行に居た頃からの知り合いの財界人に頼ってそこから捻出している。ビル・ゲイツ初めほとんどのＩＴ業界の人間が ノーネクタイのカジュアルな服を着ているのに、三木谷氏はスーツを着ているのはそれほど財界人との付き合いが濃厚だからに他ならない。

堀江氏は完全なＩＴ人間だから、プロ野球の重鎮にもノーネクタイで会いに行って老人達のヒンシュクをかったりしているが、本来ＩＴ界の人間はそれが普通でありファッションで人間を判断しない。私もリナックスを使ったレセプトコンピューターを置いているので、何度かリナックス関連の学会に参加したことがある。普段、私などは医師だけしか参加しない学会がほとんどだから、こういう学会は少々戸惑うことが多い。 なかでも驚くのが参加者の服装だ。 はっきりスーツのグループとポロシャツやジーンズなどを着込んだカジュアルなグループに分かれる。もちろん医師はスーツ組でＩＴ関連の技術者はカジュアル派だ。

考えてみれば医師も普段はスーツを着ることは少ないしまた学会でもスーツ着用などとは規定されていない。それなのにまるで暗黙の縛りがあるようにほとんどの医師がスーツやブレザーを着込むのはどうしてだろう。研修医時代からの慣習とわざわざ人と違った服装をしてまで風圧を受けたくないと思っているのだろうか。そういうこともあるだろうが無意識のうちにいわゆる権威に盾突くことを回避しているのかもしれない。しかし学会などは研究者の会議だから研究に対する熱意さえあればジーパンにＴシャツでも何の障害もないと思うのだが・・・・。

今回のプロ野球への加盟申請に際して、楽天はトヨタの社長やウシオ電気会長など財界の重鎮をそろえたサポート組織を作って、まるでこれを錦の御旗のようにぶち上げている。これは財界とも知り合いの多いプロ野球の審査委員にも有効に働く可能性がある。しかしこれなどは私のもっとも嫌いな手法で、こんな権威主義的な方法で権威志向の審査委員を取り込むようなことは嫌悪感さえ感じる。ということで今回のレースでは是非ライブドアに競り勝って欲しいと願っているが、どうも勝負は楽天側に有利に進んでいるようだ・・・・・。