お山の大将

アメリカのお山の大将的な態度は以前からかなり酷いと思っていたが、今回のことでは呆れ返るしかない。ＢＳＥ問題で日本が取っているアメリカの肉牛輸入禁止の政策を解除しろと言っているのだ。これは 昨年からアメリカが主張していたのだが、最近この声が政治家を中心にどんどん大きくなってきている。先日はライス国務長官が来日して小泉首相にもこの要求を突きつけていた。

アメリカは生まれて２０ヶ月以下の牛に関しては安全なので無条件で輸入しろと要求している。日本側もどうやら全頭検査ではなくほぼこの要求に沿った解決案を考えているようだが、２０ヶ月をどのように判断するかなど安全対策にしばらく時間がかかる。アメリカはそれさえも時間がかかりすぎると言って対日制裁案をちらつかせている。これがそもそも異常だし そもそもまったく理屈に合わない。

現にアメリカではＢＳＥが発生しているし、世界中で４０カ国がアメリカ産肉牛の輸入禁止をしている。日本がアメリカの肉牛総輸出量にしめる割合は５％くらいしかない。それなのにここまで日本だけを名指しで攻撃するのは、日本が影響力の大きな国の割りに攻撃すれば簡単に言うことを聞く国だと舐められていることが大きい。なんとも情けない状態だ。

おまけにアメリカ自体はＢＳＥを理由にカナダからの肉牛輸入を禁止しているのだ。アメリカとカナダの牛ではＢＳＥの危険性はあまり変わらないような気がするが、アメリカは目くそ鼻くそを笑う式の政策をいけしゃあしゃあと取っているのだ。こんな身勝手で高圧的な国が世界のリーダーになっていることを我々は認識しておく必要がある。

本日のテレビではアメリカの高官が「日本の態度にはアメリカは我慢の限界に達しているので対日制裁を実行する必要がある」などとほざいていたが、これはあまりに自己中心的で酷い発言だ。もしこれが立場が逆で同じ状況で日本がこのような発言をしたとすると一体どのような仕打ちが待っているか？　しかし北朝鮮の核などを考えると、日本はこんな無茶苦茶なアメリカと仲良く付き合っていかないとならない運命にある のも事実で、本当に難しい世界情勢に成りつつあると言わざるを得ない。