首相の判断

最近どうも小泉首相は大丈夫だろうかと心配になってくる。先日の韓国漁船による日本の排他的経済水域進入の際にもその言動は理解不能だった。日韓の海上警備官が交渉している時に、「話し合えば判るのでゆっくり話し合ってください｣と暢気なことを言っていた。これは一見 穏当な意見で総理として適切な感じがするかもしれないが、この場合は韓国漁船が明らかに日本側に不法に進入して密漁しているわけで、即刻日本側に身柄を確保して取り調べることが必要だ。これが逆だったらどうなったかを よく考えて欲しい。

我々が小学校の頃、韓国が勝手に設定した李承晩ラインを侵犯したとして、何度も日本漁船が韓国に拿捕されたし、そのうちの一人の漁師は韓国警備艇に撃ち殺される事件も起きた。この 李承晩ラインは韓国が勝手に作り上げたものだが、現在の排他的経済水域は国際法の則って設定されているし、韓国も承認しているものだ。これを侵犯しているのだから韓国側は即刻身柄を日本に引き渡さなければならないし、そうしない場合は政治家がそれを要求しなければならない。

明らかに韓国側が国際法を犯しているし、日本側に問題はないのだから日本側の主張を貫き通すべきだ。身柄を引き渡さなかった韓国の警備官は当地では英雄的な歓迎を受けているそうだが、こういうことで妙に弱腰な対応を見せているから中国や韓国に内政干渉的なクレームを投げつけられるのだと思う。こういうことがどれ程日本の国益を害しているかを小泉首相は理解できないのだろうか？

逆に靖国神社の参拝問題は意地を張っているのかどうか知らないが、妙に強気で中国や韓国の反発を招くのを承知で毎年参拝を強行している。このために日本企業や現地在留の日本人がどれ程の損失を蒙っているのかまさか知ってないわけでもないだろう。総てが参拝問題だけのせいでもないだろうが、反日デモなどの 口実を与えやすい微妙な行動だと思う 。彼の個人的心情（たとえそれが正しかったとしても）のために多くの日本人に迷惑をかける事態になるわけで、少なくとも首相である間は靖国参拝は控えることが政治的リーダーとして最低の責任だと思う。

それに靖国神社にＡ級戦犯が合祀されている間はアジアだけでなく欧米からの理解を得られないだろう。即刻分祀するべきなのだ。もしくは宗教色を排した国立墓地を新たに作るべきだろう。そうするとアーリントン墓地のように外国の元首が来日しても気兼ねなく訪れることが出来る。そういう意味で今の靖国神社は総理が参拝できる施設ではないし、こんな一宗教法人に日本中が振り回され て良いはずがない。小泉首相はどうしてもＡ級戦犯を参拝したいらしいが、それなら分祀した上でまた別にそういう施設を作れば良い。