無知

本日の新聞にある健康食研究所で食事療法を受けていた１２歳の少女が死亡した記事が出ていた。この少女は小児糖尿病の患者で、これは中年におこる肥満が原因のものと違い、絶対的にインシュリンが足りない病気でインシュリンの投与が必要になる。しかし医師から説明を受けている筈の母親もこの施設の責任者もインシュリンの投与をまったく考えていなかった。

そもそもこの施設自体が相当怪しくて、この施設の代表は得体の知れない宗教団体の主催者でもある。そしてこの被害者も母親もこの宗教団体の信者だったという。糖尿病という明確に治療法が確立されている病気を宗教もどきで治そうというのは、それだけでも明らかに疑ってかからなければならない。昨日逮捕者が出たアガリックスにしてもそうだが、 現代医学で治る病気が民間療法の誘い文句にひきつけられて時機を逸して死亡していくケースもかなり見聞きする。これは大人の場合、無知がどれ程罪深いことなのかを示していると思う。

今回の件に限らず、最近あまりに無知に付け込んだ詐欺事件が多すぎる気がする。住宅のリフォーム詐欺や振り込め詐欺、健康食品絡みの詐欺、新興宗教に絡んだ詐欺など枚挙に暇が無い。しかもこれらはちゃんとした判断力のある大人をターゲットにしていて、しかもほとんど 易々とだまされているケースがあまりに多い。ほとんどは普通の常識や判断力があれば、まず騙されることが無いのではないかと思われるのに、何と多くの被害者が出ているのだろう。

振り込め詐欺にしてもあれ程マスコミで大々的に報道され、注意を喚起されているにもかかわらず未だに騙される者が続出している。新興宗教に身ぐるみ剥がされる事件も変わらず続いている。健康食品に法外な出費をしてガンを治そうと し挙句の果てに手遅れになる。こういう事件を目にすると騙されるほうも相当責任があるように思われてならない。勿論、悪いのは騙すほうでこれは徹底的に追求して司法の裁きを受けさせないといけないが、それだけではこういう詐欺事件は永久に無くならないだろう。それほど今毎日起こっている詐欺事件はあまりに騙されるほうが無知すぎる事例が多いと思う。

私が思うに、被害者の方が新聞やテレビでニュースを日に１５分くらい見聞きして、最低の常識を持ち合わせていれば今発生している詐欺事件の多くは未然に防げるのではないだろうか。それほど幼稚な詐欺の罠に簡単に嵌っているように思われる。子供や認知症を患っている老人は別として、詐欺事件の被害者になっている人々は酷なようだが それなりの反省が必要と思われる。しかし血液型で人の性格を判断したり、星占いに人生の大事な決断を委ねているような人にはこれとても理解できない話かもしれない・・・・・。