釜山行

この盆の間、博多から水中翼船ビートルに乗って釜山に行ってきた。下関で育った私には、釜山は昔から姉妹都市であり関釜フェリーもあって馴染みのある都市だった。都市としての規模も今まで下関と同レベルだ どろうと思っていたら何と下関２６万人に対して釜山は３８０万人を抱える大都市だった。街並みは雑多で工事も多くお世辞にも綺麗な町とは言えないが、 福岡市の３倍くらいの人口を抱えた活気ある町だった。

今回の主な目的は食事で、娘たちも釜山には何度も行っていて食事の美味しさはその都度聞かされていたのでかなり期待していた。今回の旅行でも娘や妻は食事を十分に堪能したようだったが、 正直言って私に関しては期待はずれだった。と言うのはほとんどの料理は スプーンと金属製の箸で食べるのだが、これがどうも私にはしっくり来なくてこれで食べるとせっかくの料理の味が変わってくるような気がしてならなかった。

しかもどの店でもその金属製の箸しかなくて、どうしてもこれを使わざるを得ない。そこでコンビニで割り箸を買おうとしてもどこにも売ってないのだ。 ただあれだけ日本人観光客が多いのに割り箸を売ってないということは皆私のように気にしてはないということだろうか。妻子からも気にしすぎと言われたので多分そうなんだろう ・・・・。　

それともう１つはビールが韓国の銘柄のビール１種類しかなくこれが堪らなく不味かった。いつも食事の時にはビールを飲む私にはこれが辛くて、これも今回食事を堪能できなかった理由のひとつだった。 特に焼肉を食べに行った時はビールなしでホトホト困った。ホテルに帰れば日本のビールやバドワイザーも揃っているのだが、飲食店にはどういう訳かどこに行ってもないのだ。　　

ただ物価の安いことには驚くことが多かった。２日目に晩飯を食べに行った料理店では家族４人合計で１１２０円で、これはダッカルビ（焼き飯みたいなもの)一人前２８０円を４人分 注文し、これを食べたらもうそれ以上は誰も食べられないくらい満腹にな ったからだ。また付け出しのキムチや惣菜が大量に出てくるし、これは食べてしまうとサービスで次々に追加されて出てくる。

しかしほとんどの韓国人グループはそれに加えてまだかなりの料理をオーダーしていたから、日本人と韓国人の食欲はかなり違うと思う。それに関して体格が日本人とはかなり違う。私は日本人としてはどちらかと言うと大きいほう（身長１７７センチ）なのだが、釜山で繁華街を歩いていると平均的な感じを受ける。しかも日本ではほとんどお目にかかることのない１９０センチを超えるような大男に結構頻繁に遭うのだ。

ガイドに聞いてみたら韓国の男子高校生の平均身長は１７５センチ、女子は１６５センチと言うことだった。これは男女とも平均で５センチ 日本と違うことになる。これは民族の遺伝的な違いと食事の違い（彼等は肉、牛乳を大量に食べる)でこのような差が出てくるのだろう。健康的な伝統的日本食にも優れた面があるが、欧米や韓国などと比べると圧倒的に動物性たんぱく質の量が少ない。日本人ももっと肉を食う必要があるのではないか？

韓国経済は通貨危機で深刻なダメージを受けたものの、韓流ブームのドラマなどを見ていたら経済もかなり持ち直したと思っていた。しかし今回釜山に行ってガイドなどに聞いてみたら実態は むしろその当時よりも酷く、釜山では経済は低迷し人口も減ってきていると言う。 この点では日本人観光客の果たす意義は軽くないと思う。またそれを釜山では期待しているようだが、竹島問題で日本人を攻撃するプラカードがあったりで日韓間は少々ギクシャクした面もあるようだ。また若い世代が子供を作らないので少子高齢化の波が日本より酷いと言っていた。韓国は人口も５千万人以下なのでその深刻さは日本以上だろう。日本と韓国、この近くて遠 い国はこれからはもっと交流してお互いに協力していくことが重要になってくると思われる。そのためには靖国問題や竹島問題に これまでの様に無関心では済まされず、日本でもこの問題について真剣に考えてみることが必要になってくると思う。