靖国参拝

一昨日、小泉首相が靖国神社を参拝した。海外の反応は予想したとおりで中国や韓国政府はかなり激しい批判をしている。小泉首相もこれは当然予期したものであり、それを承知で参拝したものと思う。ただし今の形での参拝を続けると中国や韓国との衝突は未来永劫避けられず 、これは日本の国益にとって大変なマイナスになることは間違いない。

もともとこの参拝は小泉首相がほぼ公約のようにして毎年実行していることであり、今更止めると中国や韓国の抗議により方針を変えた状態になるのでこれは非常にまずい。また一国のリーダーが国のために戦争によって死んでいった英霊に哀悼の意をささげることは重要なことであり、これを海外の 干渉により取りやめることはするべきではない。また靖国神社への参拝自体について中国や韓国が非難しているわけでもない。

結局、Ａ級戦犯が合祀されていることが唯一の問題点であり、これさえ解決されれば日本だけでなく中国や韓国にとっても一番望ましいことだろう。 この解決には誰が考えても二つの方法しかない。１つはＡ級戦犯の分祀でありもう１つは国立の戦没者墓地の建立だ。このどちらかの解決法を取らないとどうしようもないことは判っていても、このどちらの解決法にも反対の勢力が居ることが最大のネックだ。早い話がこの勢力によってその他大勢の国民が大迷惑を蒙っていることになる。

Ａ級戦犯にかんして中国などでは誤解しているようだが、小泉首相はこれに関して特別な思い入れはないと思う。それはこれまでの言動を振り返れば分かるが、Ａ級戦犯には意外と冷たい発言をしているし、首相がニュースなどで涙を流したりしたのは赤紙で召集されて戦死していった兵士に対してだ。靖国神社に奉られている英霊のうち、 八割以上は赤紙一枚で心ならずも召集されていった一般の兵士たちだ。彼らの犠牲のうえに現在の平和な生活を享受している我々としては、彼らの御霊に対して哀悼の意を表すのは当然のことだろう。

しかしＡ級戦犯となると話はまったく別だ。彼等はアメリカ相手に勝ち目のまるでない戦争を起こし推進していって、多くの国民を死に追いやったことにたいする責任がある。なにも東京裁判が総てに正しいとは 思わないが、この無謀な戦争を起こしかつ負けたという結果責任はしっかりと取らなければならない。また戦争中はそれに値するほどの強大な権力を振るっていたのだ。とにかくＡ級戦犯の問題を一時も早く解決して、首相だけでなく国民が誰に気兼ねなく戦争で死んでいった兵士を 追悼できるような環境を作り上げるべきだろう。