コンバット

最近、ＮＨＫのＢＳで「コンバット｣や「ローハイド｣が放映されている。これらは私が小学校低学年の頃に放送されていたのが、最近になってリバイバルされているものだ。この二つの作品とも当時は夢中になってテレビに噛り付いて 見ていたもので、それは私達子供だけでなくその当時の大人にもかなり人気のあった ドラマだった。

これらは １９６０年というから今から４５年前の作品になるわけだが、今見ても全く古臭いところはなく現在大人としてみても全然チャチなところが感じられないほどしっかりした造りになっている。製作スタッフが如何に真剣に作っていたかを物語るものだろうが、 あの頃余り楽しみも多くなかった日本人がこれほどしっかりした作品を見ていたわけだから、日本中の男が引き込まれたのは無理もなかったのだろう。

ただしあの頃、苦みばしったオッサンだと思っていたサンダース軍曹は今見ると若々しい２０才台の青年のように見えるし、他の出演者も皆若い。あの当時、７歳だった私から見ると 完全なオッサンに見えても、５２歳になった私からは 皆自分の子供のような年齢なのでこれも当然のことだろう。

ローハイドのロディーも同様で、クリント・イーストウッドの若々しいことといったら驚くほどだ。この映画は冒頭からのテーマ・ミュージックが最高で、遅い時刻からの放映ながらその音楽を聴くために起きていたことも多かった。カウボーイが牛を追う道すがらに毎回いろいろな事件が発生しそれを解決していく物語 で日本でいう股旅物のはしりだろうが、これがなんとも面白くてロディの活躍に胸を弾ませたものだった。

あれから何十年か経つうちに、タフガイの象徴のようだったサンダース軍曹役のヴィッグ・モローは撮影中の事故で既に天国に召されていて、若々しかったクリント・イーストウッドは 「ミリオンダラー・ベイビー」など今でも元気で珠玉の作品を作り続けているものの、既に７５歳になって 完全な老人の風貌に変化している。流石にこの４５年間の時間の経過には抗えないものがあるが、時間の経過は万人に平等なので、これだけは如何ともし難い・・・・。

このような秀作を４０年以上たって再度見ることが出来るというのは有難いことだ。ＮＨＫのＢＳも時にこのような大きなメリットがあるので、いろいろな不祥事続きで受信料も 払うのを止めようと思うこともあるが、結局未だに受信料を払い続けている次第だ。やはり良質の作品や番組を提供することが最大の受信料不払い対策になると思う。