免疫獲得

どうも胃腸をやられたらしく、下痢が一昨日より続いている。家族も妻と娘が同様の症状なので感染性のものだろう。現在、感染性胃腸炎がかなり流行っているので、多分これがうつった可能性が高いと思っている。しかし２日前に妻が里帰りした時に馬刺しや芥子レンコンを初めいろいろとデパ地下で惣菜を買ってきて、 夕食時にこれを３人で食べたのでこれによる食中毒の可能性も全く無いわけではない。しかしもしそうならこれはかなりの規模になるはずで大騒動に発展するはずだから、今もってそのような話を聞かないところからやはり感染性胃腸炎の可能性が高い。

耳鼻咽喉科という診療科は大人も子供も診るので、どうしても子供の感染症ももらう機会が多い。特にウィルスは感染しやすいので患者からもらってしまうケースがある。手の消毒はしても耳鼻科医が多く使用するマスクや帽子は鬱陶しくて身につけないので、患者がクシャミや咳をする度に顔には数億個以上のウィルスを浴びることになる。これではうつらないほうが不思議なくらいだ。とは言っても、おたふく風邪や水痘などのように大部分のウィルスには免疫が出来るので、患者からうつるのはインフルエンザなど免疫が出来にくいウィルス感染症に限られる。

元々免疫は人間の生存のためには必須の武器なので、免疫が出来にくいウィルスというのは本来無いはずだ。しかし現実にはエイズに罹ると最終的に死に至るし、インフルエンザは毎年のように 多くの患者を発生させる。これらはウィルスも生存のため人間の免疫にただ黙ってやられる訳にも行かないので、それなりに工夫をして生き延び策を計ってくる。

エイズウィルスは人間の中に進入すると免疫製造のための司令塔であるリンパ球を攻撃して破壊するし、インフルエンザは免疫のミサイルが目標としている目印 （抗原)を毎年のように変えている。このような特殊なウィルスは免疫システムを破壊したりミサイルを造ってもその標的にならないようにして身を守っているのだ。

感染性胃腸炎のウィルスの場合は、それほどの高度な防衛システムは持ってないはずだから、私が今度罹患したウィルスの抗体を持ってなかっただけなのかもしれない。症状も今日はかなり回復してきたので、たいしたウィルスではなかったのだろう。 見方を変えると、これで又１つ新しいウィルス撃退のためのミサイルを身につけたことになる。