ＷＢＣ

昨日、 アメリカで行われていたＷＢＣ（ワールド・ベースボール・クラシック)でちょっとした事件が起こった。日本対アメリカ戦でアメリカ人の審判が自国のチームに有利になる判定をして 、その影響もあって日本はアメリカに惜敗した。発端となったタッチアップの場面は何度もアメリカのメディアで流れていたが、明らかに捕球した後で西岡はベースを離れていて好意的にいえば誤審 、悪意を持って考えればホームタウンデシジョンだ。

そもそもこのＷＢＣはこんなことが起こる素地を初めから内包していることが懸念されていた。サッカーやラグビーなどのワールドカップのように世界的なスポーツ機構が開催するのではなく、一国のスポーツ組織であるアメリカのメジャーリーグ機構が呼びかけて催したイベントなので随所にその矛盾が散見される。

まず大リーグのペナントレースを優先するので、松井など大リーグ有力選手の辞退が多い。また出場する選手も開幕後に影響の少ないように投手の投球制限も設けられている。今回問題を起こすことになった審判についても、メジャーリーグからの参加は無くてしかも３７人中でアメリカ人が２２人と多数を占めて 、さらにアメリカの試合にアメリカ人の審判が多数を占めるというほかのスポーツでは考えられないことが通っている。現に昨日の試合では４人の審判中３人がアメリカ人だった。 またボールもアメリカの規格のものに統一されている。このように総てがアメリカのお膳立てによる試合になる。

こんなことで公平な試合を望むほうが無理と言うもので、昨日の出来事も起こるべくして起きたものだといえるだろう。そもそもこのＷＢＣは初めから開催する必然性に疑問が持たれていて、先行き開催が続くかどうか不透明な部分が多かった。それに輪をかけて有力選手の出場辞退などが起こって、本当に今年一年でオジャンとなる危険性も大いにあると思う。そういう状況で初めからこんな事態が起こると、アメリカが自ら が企画したイベントで自爆テロを起こしているようなものだ。

昨日の一戦の黒星は大きくて、日本は準決勝に進む可能性が非常に小さくなってきた。今後、チームに多数の大リーグ選手を抱えているメキシコと韓国相手に２連勝するしかない。昨日は韓国はアメリカ相手に堂々と打ち勝っているし、メキシコは大リーグでもなかなか打てないと評判の剛速球投手が出てくる。これでは予選敗退はかなり濃厚だろう。それだけに昨日の誤審は本当に痛い。選手には昨日の誤審にめげることなく全力を出し切って勝ち上がって欲しいと願っているが・・・。