ドタキャン弁護士

１９９９年に山口県光市で起きた母子殺害事件の最高裁口答弁論が昨日午後３時から行われた。これは事件当時１８歳の犯人について１，２審では無期懲役だったが、被害者家族の強い要望 も考慮された結果検察が最高裁に上告したものだった。 最高裁がこの上告を棄却しないで弁論が行われるということは、死刑判決が出る可能性が高いとも推測されている。ところが昨年に弁護士が代わり、先月行われる予定だった弁論が担当の安田弁護士のドタキャンで中止になった。

これにはこの日のために上京していた７人の被害者家族は怒り心頭に達した感じだったがそれは当然だろう。７年間必死にその日のために苦労してまた仕事を休んで上京している家族に対し、前日にドタキャンを通知する神経も理解しがたいが、その理由が また耳を疑うようなものだった。何とある 模擬裁判のリハーサルのためだと言うのだから人を馬鹿にした話ではある。

彼は日本における代表的な人権派弁護士であり、強固な死刑廃止論者だと言われている。それはそれで立派な見識なのだろうが、私には彼は以前からかなり問題がある人物だと の印象が強かった。と言うのは、死刑の可能性の高い依頼人のためには何でもするという面が目立つ。 そこには死刑を止めるためには何をしても許されるという甘えや驕りも感じられる。

今回のドタキャンもそうだし、オーム裁判でも徹底的に引き伸ばし戦術を取っている。オーム裁判がこれほどまでに長期化するのはすべて彼の戦術のせいだと考えられている。彼が考えているのは麻原の死刑を取りやめる、 それが駄目なら出来るだけ死刑の日を先に延ばすということだけで 、事件の真相を解明するとか罪人に相応な罰を与えるということには端から興味が無いように見える。 つまり加害者の人権だけが彼の頭を独占していて、被害者の人権は全く考慮されていない。 今回の裁判でも自分の理想とする死刑廃止のために、この殺人事件を利用していると言っても過言ではないだろう。

そういう法廷戦術がどれほど被害者家族の心情を逆なでしているかはまったく彼の頭から飛んでいる。人権派と言いながら彼には加害者の人権しか頭に無い。 被害者の家族がどうにか仕事を調整して上京しても簡単にすっぽかしてなんとも思わない人間なのだ。非常に偏った捩じれた人権感覚だと思う。このような 独りよがりで偏執的な弁護士が人権派グループを引っ張っている現状は日本の司法会にとっても不幸な事だろう。

もうひとつ気になるのは彼には目立つところを好む習性があることで、毒入りカレー事件やオーム事件など大きな事件では必ず弁護を買ってでるし、耐震強度偽装のヒューザー ・小嶋社長の弁護士にもなっている。 この３つの事件の間に関連性は薄いと思われるが、共通点があるとすればただ１つ国民注視の大事件だという事くらいだろう。そこからするとひょっとしたら人権派などとは我々の買いかぶりで、彼は人権などどうでもよく目立つ舞台が用意されれば どんな事件でも引き受けるというのは穿った見方だろうか？