メタボリック・シンドローム

一昨日の月曜日にびっくりするようなデータが政府の機関から発表された。４０歳以上の日本人（男性）では二人に一人がメタボリック・シンドロームに罹っているかもしくはその予備軍だというのだ。メタボリック・シンドロームとは腹囲が８５センチ以上で、高血圧・高脂血症・ 高血糖のうち２つ以上を持っている病態で１つなら予備軍だ。つまり栄養過多で血液中に脂肪分や糖が溢れ、それを貯蔵するために内臓脂肪が溜まりすぎた状態。

この病気は昨年から提唱された概念で、 これまでも運動不足の現代人には多いとは言われていたが、半数以上の人にこの病気の危険性があるというのは明らかに異常だ。この飽食の時代に車に乗って歩くことも少なくなった現代人が陥りやすい宿命と言えばそうなのだが、それにしても実態は相当深刻なところまで迫っているのは間違いない。

私にしても１年前までは腹囲が８８センチで、高脂血症があったからやばい状態だった。その検査データにびっくりして慌ててダイエットした結果、９キロの減量に成功し現在は総てクリアした状態に持ってこれたが、飲むことは好きなので今後もずっと節制は心がける必要があるだろう。女性は皮下脂肪は多いが内臓脂肪は溜まりにくい体質なので、男性ほどではないにしろ５人に一人はこの危険性があるとの報告だ。

結局、先進国で暮らす現代人は意識して体を動かしてまた歩き、食事も栄養過多に陥らないように努める必要があるということだろう。そうでもしないとこのメタボリック・シンドロームの アリ地獄から抜け出せずに、最終的に糖尿病や心臓や脳の血管障害で死を迎える可能性が高くなるのを覚悟する必要がある。

遺伝的に日本人を含めてアジア人は摂取した栄養素を貯めこみやすい体質だと言われている。これは大昔にアジアで人が住み始めて以来、その食環境が劣悪で飢餓が何度も襲って来たため、少しの食事で も生きながらえる資質を持った人間のみが生き残ってきたからだ。そのためには少量の栄養素でも出来る限り脂肪として蓄える必要があった。

そういう飢餓の歴史がこの飽食の時代には仇となっているのだが、これは厳しい飢餓を生き延びてきた先祖に敬意を示して この体質を甘んじて受けるべきだろう。そういうことなので我々は西洋人やアフリカ系の人達と比べて、より一層の節制と適度の運動が大事だと肝に銘じておく必要がある。