ノストラダムス

１９９９年になって何がうれしいかというと、世紀末や終末思想を撒き散らして世の中を煽ったり、それを利用して金もうけをしてきたインチキ思想家の言い訳が聞けることだ。この終末思想にしろ血液型にしろ話の種に冗談で持ち出すのまでどうこういう気はないが、本気でこういうものを論じるのを見ると嫌悪感を覚える。
血液型による性格分析は日本だけのものだが（もちろん世界中では相手にするものはいない）、日本では血液型による幼稚園児のクラス分けや会社のプロジェクトチームの編成を行うなど、どうも呆けた者がいるので冗談だと無視できない面がある。

ノストラダムスにしても、どうにでも解釈できる詩をことさら終末論に結び付けて、自分の利益に持っていこうという魂胆はミエミエで腹が立つがそれにも増して情けないのは、こんな幼稚な論をまともに信じてしまう人間がいることだ。
オウム真理教にしてもこういう人間が集まってきてあのような事件を起こしたのだろうが、未だに入信者がいるというのが信じられない。

血液型による性格分析に関しては話が違うが、ノストラダムスの大予言に関しては、はっきり期間限定で結果が出るので楽しみだ。７月とか８月といわれているが、どちらにせよその時になって人類の存亡に関わるほどの大事件が起きなければ今まで散々、大予言を吹聴しまくってきた者はどう言い訳をするのだろう。
ここまで言い放題だったが今度ばかしは結果がはっきり出てしまうので、何かしら言い逃れを考えておかないと立場が無くなるだろう。

今まであれだけ勝手な解釈をしてきた人間だから何かコジツケを用意しているとは思うが、それにしても結果がはっきり出てしまうと説得力はないだろう。その頃になってやっと目が覚める人間もいるとは思うが。
そう言えば私の友人にこの予言を完全に信じている医者がいる。彼はどうせ１９９９年で世の中は破滅するのでそれまで借金しまくったほうが良いと言っていた。返さなくて良いわけだから、借りれるだけ借りたほうが良いということなのだろう。このような考えで大丈夫ななのだろうかと心配になるが、彼も内心は遊びなのだろうと思う。まともに信じているとすればちょっと怖いものがある。

このように期間限定で結果が出るものはいずれバレてしまうので良いが、血液型のように期間が限定されてないものはタチが悪い。
結局、血液型性格分類などが日本だけで幅を利かせるのは、日本が島国で他の国と余り交流が無く民族もほとんど単一で、外見上あまり見分けがつきにくいことが影響しているのではないだろうか。

たとえばヨーロッパなどは目の色、髪の毛の色、皮膚の色、体格などでかなりの違いがあるし、わざわざ血液なんか持ち出す以前にはっきり目に付く違いがある。日本人はそのような違いが少なく、しかも元々人間を何かで分類したがる癖があいまって血液型などというもので人間を分類したいのだろう。あまりに幼稚な分類だという気がするのだが、医者でも本気でこれを信じている者がいるのが悲しい。