ＢＭＩ

昨年の６月に定期的にチェックしていた血液検査で、中性脂肪やコレステロール、ガンマＧＴＰなどが大幅に異常値を示したのをきっかけに減量を決意した。その時は体重も７７キログラムになり、あまり自覚してなかったがどう見ても 体重過多でウェストも８９センチになっていた。１０年以上前から記録していた摂取カロリーも当時は２４００キロカロリー（８０キロカロリーを１点として３０点）前後を記録していた。

これを１日に２１点前後にして、そのほかは変えずに以前のままでしばらく様子を見ることにした。そうすると３〜４ヶ月で７キログラム落ちて７０キロになった。昨年中はそのままだったが今年になって更に３キログラム落ちて現在６７キログラムになっている。 この方法はカロリーだけ考慮すれば何を食べても良いし（私の場合はビールは絶対に譲れないし、毎日必ず２缶は飲んでいる）、腹が減るようならカロリーの少ない野菜やキノコ、海草で満腹感を得ることも出来るので全然辛くない。。この方法は慣れると一食当たり５〜１０秒で計算できるし、所謂長続きしやすいダイエット方法だ。

４キログラムくらい減った段階で調べたら血液検査は総て正常になっていたが、今ではその時よりさらに６キログラム落ちているから検査データも更に下がってきている。驚いたのは酒のせいだろうと推測していたガンマＧＴＰ（１００を超えていた）も３０まで落ちたことだ。普通この検査項目は飲酒によって上昇するものと考えてい たが、やはり脂肪が増えることにより異常値になっていたのだ。それ程脂肪の影響は大きいと言える。

体重も１０キロ落ちるとかなり外見も変わるようで、「いやー、痩せたなー！」、「スマートになりましたね」は良いが、なかには「ガンにでもなったの？」などと言う口の悪い 友人も居る。身長が若い時より１センチ低くなって現在１７６センチなので、ＢＭＩ（体重を身長の２乗で割った数値で、これが２２なら一番寿命が長いとされている）からすると６８キログラムが理想なので既に 初期の目標は達していると言える。

ＢＭＩと言えば面白い話がある。昨日、マドリッドのファッション業界でモデルが痩せすぎで出演を拒否されたと話題になった。これはＢＭＩが１８以下のモデルはファッションショーに参加できないことが決定されたからだ。その理由は洋の東西を問わず若い女性がモデルの極端に痩せた容姿に憧れて拒食症が増えるのを防ごうとの意図だという。これには賛否両論湧き上がっていて、フランスなどは反対だがイギリスやイタリアでは賛成で今後同様の通達を出すらしい。

これには私は賛成で、現代の女性はあまりに痩せることに血眼になりすぎていると思う。特に日本の女性はその傾向が強く、我々が見て均整が取れて健康的に見えるレベルは彼女たちから見るとかなり太っていると判断されるようだ。やはりＢＭＩで言えば２２前後はあったほうが健康的だし、医学的に見ても２０を下回ると寿命にも影響してくると思われる。骨が浮き出たような細い肢体に魅力を感じる者は居ないだろうが、巷に溢れるいろいろなダイエットに取り組んでその極端な痩身を若い女性が目指すのは哀れでさえある。

ダイエットはあくまで太りすぎが原因でメタボリック・シンドロームなどが危惧される者が行うものであって、標準体重の者が行うと健康を害することになる。またダイエットに近道はなく、カロリー計算を取り入れてやるとバランスの取れた食事を摂りながら空腹を感じないで行えるので、リバウンドもなく確実に健康的に減量できる。巷間言われている「なんとかダイエット」のように、ある食材だけを摂って栄養学的に欠陥のある方法はリバウンドも現れやすいので効果も疑問だし体にも良くない。総じて空腹を感じるダイエットはまず続かないと思って間違いない。

今の世の中はあまりに極端すぎると思う。一方では自分の体に無関心で飽食に任せてブクブクと肥満になり、メタボリック・シンドロームに脅かされる者が中年以降では人口の約半数いるかと思えば、逆に痩せる必要のない女性がモデルのような痩身を目指して必死に胡散臭いダイエットに励んでいる。どちらも健康についての正しい知識があまりに不足していると思う。