あるある大辞典

これまで毎朝食時には欠かさず食卓に並んでいた納豆だったが、二週間前から姿を見ないことが多くなった。どうしたことだろうと思って妻に尋ねると、スーパーで品切れになって手に入らないことが多いと言う。娘が言うには「あるある 大辞典」で納豆を使ったダイエット法が紹介されて以来こういう事態になっているらしい。娘もこれを実行したいと思っていたらしいが品不足で出来なかったとのこと。毎朝納豆が食卓に並んでいないのも寂しいが、それよりも私が感じたのはこの番組自体への不快感のほうが大きかった。

この番組はダイエットを中心に健康系の情報番組としてかなり視聴率が高いらしい。これまで我が家でも娘がこの番組で紹介されたダイエット法を何度か試みている（チョコレートダイエット、バナナダイエット・・・・・ｅｔｃ）。そもそも栄養学的に見てダイエットに王道はなく、カロリーの入りと出を計るしかないと思う。つまり「これを食べると痩せるとか、こういう 食材を控えると痩せる」というのはまず間違い、もっと言えば嘘だといって良い。

そうではなくていろいろな食材をバランスよく食べて、摂取するカロリーを日々消費するカロリー（基礎代謝分を含む）より長期間オーバーしないようにするしか健康的で長続きするダイエット法はないと断言して良い。 基本が守られてさえいれば週に一回や二回食い倒れるのは問題ない。私もこの方法で１年で１２キロ減少してリバウンドもなく 空腹感も感じずに標準体重を維持している。 よく夕食をプロテイン粉などで３００〜５００キロカロリーに落として必死にダイエットに励む人も居るが、これなどは健康的にも問題があるしまず長期間続かずにリバウンドを繰り返す確率が高いだろう。

我が家でも娘には、医学的に見てこの「あるある・・・・」で紹介される方法はまゆつばが多く、ほとんどの方法は信用しないほうが良いことも注意してきた。そもそもこの番組で紹介されている多くの方法が本当にそれ程聞くのなら、このテレビを見ている視聴者の多くが 遥か以前に痩身になっているはずで、こんなにも次から次に新しいダイエット法を放送する必要はないはずだ。結局、裏を返せばこれまで放送してきた方法はほとんど有効なダイエット法ではなかったとの証になるのではないだろうか。

しかしいくら私が言っても我が娘はまったく信じてくれない。それに反してテレビの言うことは全く疑うことを知らないかのように妄信と言って良いほど信じきっている。このことは多くの 家庭においても事情は同じだろう。テレビの影響力の大きさを今更ながら思い知らされる思いだ。それだけに放送局も番組作成においては細心の注意を払う責任があるだろう。

このように度重なる胡散臭い放送に憤慨していたら、本日のニュースでこの番組が放送打ち切りになったことが報じられていた。ご愁傷様！　ただ簡単にころりと騙される視聴者のほうにも罪がないとは言えないが・・・・。