相撲部屋の闇

相撲部屋のしごきで１７歳の力士が死亡したとして、大相撲協会の監督官庁である文部科学省まで乗り出してきて目下大問題になっている。この時津風親方が事件発生直後 にインタビューで釈明をしていたが、この発言は現在明らかになった事実とはあまりにかけ離れていて、嘘八百とは言わないまでもとてもじゃないが反省をしているは思えない。また死亡後に親元に連絡した際にも、火葬 した後に骨だけを送ることの了承を求めたりと、明らかに事件の隠蔽を狙っている。

これまでも相撲部屋の暴力事件は何度も週刊誌などの話題になったことがある。何人も不審死を遂げているし、片目を失明したり肢体に重傷を負ったりと問題にならなかったほうがおかしいくらいだ。 これは相撲部屋という密室でのリンチと言ってよく、現在暴力団のリンチを除けば他では考えられない状況だろう。

また今回も６月に事件が起きて、始めは病死として片付けられていて事件にはなってなかった。相撲協会はもとより警察も事件として考えていなかった。 それがその後に週刊現代がリンチによる殺人事件だと取り上げてから次第に表面化してきて、最終的に現在の大事件に発展していった経緯がある。

今回の事件では警察はまったく問題視してなくて当然司法解剖もしてなかったが、遺体を見てそのあまりの悲惨さに遺族が行政解剖を求めて行なったために一応証拠が残っていた次第だ。それが無かったら多分うやむやにされて事件にはならなかっただろう。

この相撲部屋の旧態依然としたしごき体質や肥満を奨励する鍛錬法はこの２１世紀の日本に全くふさわしくないと思う。今回の事件を機に今後更に入門者は減り続け、日本人の入門者は 過半数を割って少数になっていく可能性もある。相撲取りのほとんどが外国人となると、それを熱心に見る日本人は果たして居るのだろうか。少なくとも 相撲が国技とは言えなくなるだろう。

この親方は多分相撲界を追放になるだろうが、この陰湿な殺人事件が相撲界に与えた影響は凄まじく大きいものになるだろう。この親方はその度に言うことが変わってきていて、保身のためだろうが非常に後味が悪い。後はせめて司法がこの嘘つき親方をどこまで ゲロさせて事件の全容を明らかに出来るかが重要だと思う。それが出来ないとこんな暴力のはびこる密室の相撲部屋に入門してくる者など居なくなってしまうだろう。