亀田のあわれ

世界タイトルマッチで犯した数々の反則 への制裁として、亀田一家３人への処罰が決まった。父親のセコンドライセンス無期限停止を筆頭に、それぞれ妥当なものだというのが一般的な感想だろう。ただこの父親はこの罰への不満を表明しているし、しっかりと反省しているとは到底思えない。そもそも今回の問題はほとんどこの父親のせいだといっても過言ではないと思う。 現代社会において、公の場で威圧するような目つきで相手と対面することを繰り返してきたが、この態度などはあまりに非常識だと言わざるを得ない。

３人の男の子に対して、物心つくかつかない頃からボクシングだけのスパルタ教育を施して、ほかの社会的マナーや常識、言葉遣いなどはほとんど教えてきてないようだ。小さい頃からこんな家庭、父親に育てられたら誰だってこんな少年に育ってしまうだろう。その点で、今回の騒動の 直接のきっかけを作った大毅選手には同情を禁じえない部分もある。長男の興毅選手も事情は同じだろう。

こんな幼少から、これ程極端に偏った父親の傍で男の子３人の狭い社会のなかで育っていくのは、言わばカルトの世界に身をおいているのと変わらないのではないだろうか。この子らは何が社会の常識で何が非常識なのかも本人達はまるで分かってないのかもしれない。 なんとも哀れな一家ではあるが、ここは一旦カルトを解散させて、マインドコントロールから解放させることが一番の治療法だろう。

そういう意味で、この父親はこの際ボクシング界から完全に身を引く必要があると思う。今後もこの子離れが出来ていないバカ親父の傍に居ると、この３人の子供はいつまで経っても常識知らずのバカ息子の域を脱することは出来ないだろう。社会人として一人前の言葉遣いや対応が出来なくて、ちょっと何かあるとすぐにバッシングの標的にされることを繰り返していくと思う。

ただマスコミはこの親子を視聴率稼ぎのためのサンドバックのような存在にしたかったのかもしれない。視聴率の上がらない時には、この親子を叩けばあっという間に話題になって、暫くはこの親子の騒動を放送しておけば安心していられる。だからこの親子 を寄ってたかって叩くが、ただ完全に潰されるのはマスコミ人は誰も望んでいないのだろう。

その辺りはこの親子も本能的に分かっていて、バッシングがおこるとしばらく亀の頭を引っ込めいて、ほとぼりが冷める頃に再び頭をもたげてくるつもりなのかも知れない。今回は相当えげつなかったし、ライセンス停止などの 現実的な処罰が下っているのでそんなにすんなり行くかどうか疑問だが、この親子がどんな復活劇を見せ るのかもある意味で楽しみの一つではある。ともあれこんなバカ親父が（暴力団以外で）現代に生息できていたのはシーラカンス以来の奇跡だと思う。