テラビシアにかける橋

このエッセーは毎週水曜日に更新しているが、私の水曜日のスケジュールは特別な用事や買い物などがない限り判で押したように決まっている。それは午前中の診療が終わると、すぐに 馴染みの蕎麦屋に行ってお気に入りの大盛ごぼう天そばを平らげる。それからゴルフセンターに行って３時間前後一心不乱にボールを打ちまくる。 これは冬でも汗で下着が湿ってくるほど結構ハードだ。

その後、鍼灸院でマッサージを受け（現在はヘルニア治療のために整形外科医院で理学療法を受けるほうが多い、両方だと時間が足らないのでどちらか一方）、それから直ぐに帰宅して、夜はシネコンで妻と映画を見てその帰りに夕食を摂って帰路につく。その後はこのエッセーの更新をして床に入るということになるが、原稿は昼までに ほとんど書いているのでちょっとした修正とアップの操作だけをすれば良くそんなに時間はかからない。

ほとんどこのようなスケジュールなのだが、ゴルフの練習と昼食のそばとマッサージは既に２０年前から続けていて、映画とその後の食事は昨年から始まった。これは子供たちが３人とも大学生になり 、家から出て一人暮らしをし始めたため夫婦での外食が増えてきた事情による。

先週もそのような経過でシネコンに行き、「テラビシアにかける橋」を見たのだがこれが予想を上回って素晴らしい作品だった。子供が主人公のファンタジーで、以前感動した「スタンド・バイ・ミー」のような感じの映画を期待しての鑑賞だったのだが、これがそれを遥かに超えるほどの出来だった。

この映画はアメリカの地方の小学校が舞台だ。さえない男の子の居るクラスに都会から可愛い女の子が引っ越してきて、二人は仲良くなり森にテラビシアという秘密の遊び場を作り楽しい日々を過ごしていた。ところがある日、男の子が以前から憧れていた女性教師とドライブに行っている間にその女の子はテラビシアに通じる川で事故のため死んでしまう。男の子は秘密にしてドライブに行ったことを 深く後悔するのだった・・・・。

言ってみれば ストーリーはこれだけなのだが、 まず主演の女の子が非常に可愛いし、いかにも都会の小学校からの転校生といった雰囲気が出ていてこの映画にピッタリだった。 我々の世代の者は大なり小なりこの映画のシチュエーションと似たような経験があるのではないだろうか？　例えば都会からの垢抜けた転校生に初恋を抱いたり、そんな恋心を伝えられずにその子が転校して行って寂しい思いをしたり・・・・。私 もそんなことで感情移入したのだろうか、深くこの映画に引き込まれていった。遠い日の少年の心を思い起こすには最高の映画だと思う。