考えない人

昨日、夕食後にＮＨＫのテレビニュースを見ていたら思わずひっくり返るようなコメントに出くわした。今問題になっている北京オリンピックの聖火リレーの件だが、日本人親子３人が クアラルンプールでチベット国旗をバッグから出そうとして中国人１００人に取り囲まれ殴る蹴るの暴行を受けたと言うのだ。大変な事件になったなと思っていたら、「その日本人親子には怪我はありません！」と続けてコメントがなされた。 「エーーーッ！」

これには思わず噴出しそうになったが、そばに居た妻も呆れて「このアナウンサーは何にも可笑しいと思わないでこんな放送しているのかしら？」と笑っていた。まるでコントのような放送だったが 、これが空耳でなくほかのテレビ局でも同様な内容の放送していたから恐れ入る。

いきり立った１００人の中国人に殴る蹴るの暴行を受けて全くの無傷だったとはスーパーマンでもない限り無理だと思うが、この原稿を書いた記者や 発言しているアナウンサーの脳の状態はどうなっているのか不思議でならない。しかもそれが記者やアナウンサーだけでなく 報道局の責任者もチェックしているはずで、そうなると 放送局のシステム全体も少々首を傾げる状態なのかと疑ったりする。

そう言えば先週福岡市で起こった事件でも不思議なことがあった。これは若い男が年配の女性を刺して死傷させた２件の事件だったが、その２件の事件の犯人の似顔絵が酷似していて細い一重 まぶたの特徴のある人相だった。私の子供たちは３人とも福岡市でアパート暮らしをしていて、特に次女は犯行現場からそんなに離れてない所に住んでいたので気がかりでこの事件のニュースは関心を持っていた。そして程なく犯人は捕まったが、何とその犯人はオメメぱっちりの二重 まぶたで似顔絵とは似ても似つかない容貌だった。

ところがニュースではどういう訳か「似顔絵の出来が素晴らしかったので犯人も観念したのでしょう」などとトンチンカンなコメントをして、この似顔絵が全く違った印象を与えることをコメントするテレビ局はなかった。 この似顔絵は誰がどう見ても似ているとは言えないと思うが・・・・。この事件では幸い自転車に残っていた指紋により迅速に逮捕に至ったようだが、もし指紋がなければ公開された似顔絵が 逆に犯人究明の障害になったかもしれない危険性があった。

最近起こった事件のニュースに関してこれ程不思議なことがあるのに、誰もそれに言及しないのは一体どういう訳だろう。何も疑問に思わないのだろうか？　 これは何らかの理由で日本人が考える作業 を避けるようになって来たのかもしれない。自宅の近くにガソリンが安いということで評判の ＧＳがある。ここは一年中給油のための車の出入りが多くて、交通の障害になっているほどだ。ところがこれが消費税を外税で表記しているため安く見えるだけで、税を加味すると近くにある他のＧＳのほうが実際は安い。もちろん領収書にはトータルの値段は記載されているので、領収書をチェックすれば１リットル当たりの値段はすぐに判ることなのだが誰もチェックしてないのだろうか？　

混んで給油に時間が相当かかるのに、わざわざここで給油する車が多いのだ（しかもガソリンの質は所謂業転玉で悪い）。このように近頃の日本人は電卓があれば数秒ですむような 作業でも面倒に感じて避けるようになっているのかも。そう言えば、２年前に当然こうなることは判っていたはずの後期高齢者医療制度でも、国民だけでなく政治家も今頃になって騒いでいるということはあの時はほとんど何も考えてなかったとしか思えないが・・・・・。