坊ちゃん総理

以前にここで紹介した白洲次郎が吉田元首相の娘に九州の石炭王の息子を紹介し、二人が結婚した後その間に生まれたのが今の麻生総理だ。その 麻生総理の支持率がここにきて急落し、小沢代表からもこの内閣はもう給付金が出る時まで持たないだろうと言われる始末。首相になった頃は地元福岡だけにある程度はシンパシィーを感じていたが、最近のゴタゴタぶりを見ているとどうしようもない気がしてくる。総裁選の前は人気もそこそこあり、選挙では自民党内で圧倒的な支持を獲得して総裁の座についた。そこまでは良かったのだが、その後は最悪の経過を辿っている。

まず第一に漢字をあまりに知らなさ過ぎる。以前から漫画を数多く読んでいるということで話題になっていたが、これはあくまで内外の名著を読破して、それにプラスして若者文化を理解するために漫画を読んでいるものだと思っていた。ところがこれ程漢字を知らないということが暴露されると、実際は活字の本は読んでなくてただ好きで漫画だけ読んでいるのではないかと疑いたくなる。

マスコミで揶揄される総理の漢字の誤読はあまりに酷くて、これは単なる読み間違いなどとは考えられない。そこら辺の毎日飲んだくれているオヤジよりも 読みを知ってないのではないだろうか。一国の総理としてあまりに恥ずかしい醜態だ。彼ほど総理として尊敬に値しない人物も珍しいのではないだろうか。ある自民党の有力議員が「ちゃんと原稿に読み仮名をふっておかないといけない｣と 皮肉っていたが 、まさにそのとおりだ。

また漢字の誤読より酷いのは数多くの失言だ。「医者は社会的な常識に欠ける人が多い｣も有名になったが、私からすれば「お前だけには言われたくなかった｣という心境だ。その発言内容については人それぞれに意見はあるだろうが、自民党に巨額の献金をして選挙で も毎回応援している日本医師会の存在を知ってないはずはなく、こんな事を言うとどんな反響が起こるかぐらいは小学生でも理解できるだろう。早い話が次回の選挙では絶対に自民党には票を入れないと言っている医師会員が周囲に少なからず居るし、 当然私もその一人だ。

この人の失言はこんな種類の話が多く、そんなことを言うとすぐに問題になるのは間違いないという事を平気でのたまう。失言そのものよりもそんな簡単なことを判断できない事が問題だろう。この判断力の欠如は国際舞台などでもいろいろと問題を引き起こすのではないだろうか。政治家としての資質がないのにも拘らず、単に裕福な 石炭王の家系に生まれたというだけで政界の中枢に居座っているこの漫画好きの坊ちゃんに、この波乱に満ちた局面で日本の舵取りを託すというのはあまりに危険だろう。