宴の後

思い返せば平成６年からだから既に14年以上になるが、三度の食事の大まかな摂取カロリーと一日一回の体重測定を日課として記録している。もともとダイエットのために始めた事だが、考えてみるとこれは今流行のレコーディング ・ダイエットそのものであり我ながら先見の明があったと少々自負している。体重もこの４〜5年は標準体重を保っていて、もうほとんどこの記録をしなくても太ることはないと思うが、今では習慣になっていて続けている。

そのように記録をしていると幾つか不思議な現象に気がつく。まず私の場合は日頃普通の食事をしている時は体重が68キロ台でほとんど増減はない。私はカロリーベースで 一日の摂取エネルギーは２２〜24点（一点80キロカロリー）であり、大体このペースが自分にとってもっとも自然で調子も良く無理もない。これで運動による消費エネルギーは週に20点というところが平均値だ。尤もこれはゴルフなど純粋に運動によるエネルギーであり、日常生活で消費するエネルギーは入れてない。

そういう状態なのだが宴会の翌日に体重を測定すると、ほとんどの場合約2キログラム増加している（この増加分は２〜３日もすれば元に戻る)。これはもちろん宴会での暴飲暴食のせいだろうが、それにしても一寸理解しがたいところがある。宴会では普段より 多少は飲み食いする量が多いのは間違いないが、食事の量は 自宅のそれとそんなに差はないと思う。酒の量はかなり多いので体重の増加分は多分そのせいだろう。

ただし脂肪一キログラムは7000キロカロリーに当たるので、２キログラムの増加分にあたる14000キロカロリーを一夜で余分に摂取することはありえない。そこから考えると、体重の増加分はほとんど水分だろう。ただビールなどトータルの酒の水分量は２リットルを超えるだろうが、一日も経てば大部分は尿で外に出る と思う。またアルコールは利尿作用と言って尿を増やす薬理作用がある。これらを考えると酒を飲んでも体の水分量は増えるどころか寧ろ減るのではないかと思うのだが・・・。

医者の友人に聞いてみても、やはりその意見のほうが多かった。しかし私の場合は明らかに２キログラム増えているのは間違いないことで、しかも半日で体重が２キロも増えるのは水分以外に考えにくいところからすると、普通我々の考えている以外の メカニズムが働いている可能性がある。

日常の経験として 酒をある程度飲むと尿も増えるし、喉も渇いて水分を多量に取りたくなる。この辺りにヒントがあるのかもしれない。つまりアルコールの利尿作用で尿が増えて体の水分が大量に外に出るのだが、それを補うために口渇が生じて 失った水分以上の大量の水分を摂取するため逆に体重がいつもより増加しているのかもしれない。この体重増加も２日もすれば元に戻るので大した問題ではないのだが、日々体重などを記録していたために判明した少々不思議な現象ではある。