人工衛星？

近日中に 北朝鮮がミサイルを打ち上げそうだというので、今日本では結構騒ぎになっている。これまで北朝鮮は人工衛星だと言い張っているし、日本はミサイルに違いないと主張していたが、ここのところそのニュアンスが変化しつつあるようだ。 日米の軍事評論家が今回打ち上げるものは、飛翔体先端部分の形状など幾つかの情報から人工衛星の可能性が高いと言い出した。

複数の専門家がこのように見解を変えだしたのにはそれ相応の根拠があるはずで、私としてはそれを知りたいのだが誰もその材料については明らかにしないようだ。アメリカと日本の評論家が同時にこのようなコメントを出すようになったところを見ると、多分アメリカの収集した情報が元になっていると推測されるが 、その情報の精度もはっきりしていない。

一方軍事評論家でもまだミサイルの可能性が高いと強弁する者も居て、テレビの報道番組などでも困っている様が見て取れる。ミサイルか人工衛星かは外見だけからは正確な判断が難しいため 、このように専門家の間でも違った見解が出てくるのだろう。結局、最終的には実際に打ち上げた飛翔体の弾道や速度を見極めたうえでないと結論は出ないのかもしれない。

ただ実際に上空をこのミサイルか人工衛星だかが飛んでくる岩手、秋田県などはあまり気持ちの良いものではないだろう。ちゃんと計画通りに飛べばまだ良いとしても、北朝鮮のテポドン２号は前回も失敗して日本海に落ちている。 打ち上げ後に日本上空を飛んでいる時に、途中で落ちるようなことになれば大きな被害が出る ことになる。北朝鮮としてもそんな事態になり国際舞台でアメリカや日本から突き上げられる口実は与えたくないだろうから、ロケット技術にある程度の自信はあるのだろうが、食料にも窮するような国で打ち上げるロケットに日本としてはそれ程の信頼性は寄せられないだろう。

もちろん日本としては万が一の場合に備えてＰＡＣ３での迎撃を準備している。 ただしこれは湾岸戦争のときにパトリオットがイラクのミサイルの迎撃に失敗しまくったように、技術的に完成されたものではなくそう簡単にはいかないだろう。やはり北朝鮮に打ち上げさせないように持って行くことが一番重要なのだろうが、これもあの国のこれまでやってきたことを考えるとかなり難しい。結局、あの国が完成度の高いミサイルを打ち上げてちゃんと成功することを祈るのみなのだろうか。かなり受身の策で頭にくる対応なのだが 、アメリカがあのように消極的な態度に終始している以上、これ以外の方策はないのかもしれない。