新型インフルエンザ
　

本日、なんら前振りもなく新型インフルエンザワクチンがわが医院にも配達されてきて、その後職員全員が接種を済ませた。わが医院でも今まで何人か新型インフルエンザの患者を診察してきて、その内に自分も感染するのではないかと不安を抱えての 日常だったから一安心という気持ちだ。ただし 抗体が出来るまで２週間くらいは要するだろうから、その間に感染するとどうしようもない 。と言うより、その直後に診察した患者がＡ型インフルエンザだったので、抗体価が上昇するのが間に合う可能性はそれ程高くないと思うが。

新型インフルエンザワクチンについてはこれまで患者からの問い合わせも多かったが、我々でもこれまで全く情報がなくて「まだぜんぜん分からないんですよ｣と答えるしかなかった。しかも今月中は医療従事者限定の接種ということなので少々後ろめたい気分もあるが 、ウィルス戦の前線に立っているという事情を考慮してもらって勘弁していただきたい。

ところで昨日、民主党の足立政務官が異議を唱えて、一旦決まっていた成人一回接種のルールを医療従事者以外は２回にするように変更させた。彼は医者でもあるのだがどうしてそんなことをするのか、私はその真意を窺い知れない。 彼が本当に医学的に２回接種を必要と判断したのか、単に自分の存在意義を披露したいがためのパフォーマンスだったのか？

一回で済めば接種計画はぐっとシンプルになるし、日本での接種希望者全員に早い段階で接種できるようになる。２回となると相当複雑になってきて、誰に接種できて誰に出来ないかもなかなか判断できないと思う。しかも世界的な検証では成人の場合は一回で有効だとの報告が相次いで出ている というのに。

多分、今年中のワクチンと自然感染で免疫獲得者の人口は大幅に増加するはずで、今のようなＨＩＮＩの新型インフルエンザの騒ぎは今年限りだろう。また緊急事態での免疫獲得は急を要することを考えると、接種計画が大幅に複雑化される２回接種を土壇場になって持ち出すのはどうもパフォーマンスの臭いがしてきてならない。政権が自民党から民主党に代わってもやはり目立ちたがり屋は居るもので、これからもそういう目立ちたがり屋のパフォーマンスによっていろいろな政策が影響を受けることは 防げないだろう。

鳩山首相もそういう目だちたがりの輩の本質を見抜いて政治を主導していかないと、その内とんでもない結果を招くことにもなりかねない。その辺りは鳩山首相の眼力を信頼するしかないが・・・・。