シャッター・アイランド
　

１８日の日曜日は久しぶりに（１０年ぶりだろうか？)ぎっくり腰でゴルフプレーを中断する破目に陥った。落ち込んだ気分でシャワーを浴びて帰宅した後は腰痛を鎮めるために横になってゴルフ中継を見ていたが、それが終わると もやもやした気分もあり映画を観に行きたい気持ちが湧いてきた。そこで一寸無理をしすぎかなと思ったものの妻の運転する車でシネコンま で出かけることにした。ちょうどデュカプリオ主演の「シャッター・アイランド｣が来ていてこれは絶対見逃したくはなかった。

ここでちょっと注意！　もしこの映画を観る予定があれば、点線の下は絶対に読まないでください。　このネタバレを読むと、この映画の魅力を大きく損なうことになります。

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この作品は精神病を病んでいる犯罪者のみを収容している刑務所が置かれている孤島が舞台で、そこで起こった失踪事件の捜査のためにある別の目的を持ってやってきた捜査官に降りかかる不可思議な体験を描いている。途中では収拾がつかなくなるほどのストーリーの展開に、どういう風に決着をつけるのかハラハラしたが、ラストではそれを一気に解決する驚愕の結果が待っていた。

このラストについては映画に詳しい人間ならこの作品名を出せばすぐに判ると思うが、結局は「アザーズ｣、「シックス・センス｣と同じ様式の決着だ。これは主人公がその映画で展開されている状況を全く理解できてなくて、最後にある人物から総てを知らされて真実に気付き愕然とする、というものだ。シックス・センスを始めてみた時にはその斬新さに驚いたものだった。

主人公がその事態に気付かない理由に幾つかのパターンがあり、「アザーズ｣、「シックス・センス｣では主人公が既に死亡していて、死を受け入れられない魂が映画を展開していたと言うことであり、シャッター・アイランドでは主人公が精神病で彼の妄想が映画を引っ張っている。結局、周囲の者が治療のためにそれに付き合っていたというもので、最後の場面で主人公がそれに気付くことになる。 つまり映画の最終盤近くまで観客は主人公の誤った視点に付き合うことになる。

どちらにしろ主人公がエネルギッシュに活躍していたと思っていた観客はラストで思っても見なかった大きなどんでん返しを味わうことになる。これがこの種の作品の大きな魅力なのだが、さすがに３作品目ともなると映画に詳しい者には早めに気付く者も多いらしく 、映画評論のサイトではその辺りの不満が噴出していた。

おまけに映画の興行上の作戦からか謎解きを前面に出して宣伝していたので、映画に五月蝿い人間にはこの点でかなり突っ込まれているようだ。映画に詳しい者にはラストのパターンは幾つかに絞られるので、このレベルで騙されるのは沽券にかかわるとの思いが強いのだろう。

しかし私にはかなり面白い作品だった。マーチン・スコセッシ監督の映像は美しく、心を無にしてこの作品に臨むとハラハラドキドキで一気に最終的なオチまで突き進んでいくことになる。デュカプリオファンだけでなく、サスペンスが好きな方にも是非お勧めの作品です ・・・と言っても、見る予定があってまだ観てない人はこの文章は読んでないはずだし、一方ここを読んだ人はもう既に観終わった人か初めから観るつもりのない人のはずだから 、この私の勧め方はあまり意味が無いのかも知れない。