ミスター・ダーティ
　

民主党の中が大揉めの状態になっていたが、本日告示の民主党代表選で小沢氏が立つことが決定した。多分小沢氏としては今の情勢では立ちたくないのだろうが、周囲の主戦論者などをその気にさせた手前引くに引けない状態になっているのではないだろうか。昨日出た各社の世論調査でも管総理支持が圧倒的で、小沢氏支持は少数だった。この状態では仮に代表選で勝って総理になっても政権運営は相当な困難を伴うのは必至で、 泥に塗れながら難局を乗り切ることが不得手な小沢氏がそういう局面を望むはずがない。

そもそも彼は代表選に出るなんて言わないで、謹慎しつつ現在の内閣を支える役に徹するべきだった。彼ほと金と権力に執着して 様々なスキャンダルを抱えている政治家は表舞台には出るべきではなかった。現在言われている政治とカネの問題だけでなく、彼の場合はあまりに胡散臭い問題を抱えすぎている。沖縄で揉めている辺野古にしても、滑走路の 建築予定地周辺の原野も以前から購入している事が報道されたことがある。今回問題になるまで誰も知らなかった広大な原野を二束三文の価格で購入していたのだ。 また民主党代表時の党費の使途も問題視されつつある。

これなんかも総理になった途端に野党から総攻撃を食らうことは必至だろう。幹事長を辞任する契機となった金権問題にプラスしてこれらの新たな金の問題で、総理どころではなく野党の追及をかわすことに精一杯で、現在日本が抱えている苦境を解決することなどは 到底不可能だろう。やはり暗黒街の顔役は表に出てはいけないのだ。あんなに脛に傷を持つ身でよくも厚かましく出る気になったものだと思う。多分山岡副代表や松木氏などの腰ギンチャクが焚き付けたのだろうが、厚かましいにも程があるというものだ。 お祭り騒ぎの小沢ガールズにも乗せられたのかもしれない（或いはオリンピックおたくの柔道家に励まされたか？）。彼にはもう永久に政界から退場願いたいと思っているが、ここまで事態が拗れるとこれまでのように彼に陰でウロチョロするされるより一気にシロクロ決着をつけるには今回の代表選は回避されなくて良かったというべきだろう。

それにしても鳩山前首相の最近の行動も理解しがたい面がある。３か月前に辞任時の会見で総理を辞めた者は変な行動はするべきではなく、自分は次回の選挙では立候補もしないといっていた が、その舌の根も乾かないうちに管総理にトロイカ体制でやっていく必要があると言い放つとは・・・。これでは自分の復権を狙っての行動としかとられないだろう。しかも最近の伝書バトのような行動も腑に落ちない。 密室談合で管総理に小沢氏の幹事長を押しつけようとしたり、前日まで管総理を応援すると言っていたと思ったら翌日には小沢氏を推すと発言したり全く支離滅裂だ。

ただそれもこれも管総理のあまりの不甲斐なさが招いた事態だと言えなくもない。彼がしっかりリーダーシップを発揮していれば小沢や鳩山の出てくる隙間はなく、現在の混乱も回避できていたはずだ。彼が市民運動家から出発して、厚生労働省の大臣で活躍していた時はかなり期待もしていたのだが、総理になってからの彼には失望することが多すぎる。 やはり総理になってしまうと保身に傾いてしまうのだろうか、兎に角、以前のキレのある舌鋒鋭い管氏に戻ってほしいものだ。

国民は１年前旧来の金権と密室談合の自民党政治に決別をしてくれるとの思いで民主党に政権を預けたのだから、そういう国民の期待を裏切らないように金権小沢抜きの内閣で 心機一転全力を出してこの難局を乗り切ってほしいと思う。ミスター・ダーティの居る限り本当の意味で旧来の自民党政治から脱却した政権とは言えないだろう。