ブルーレイ
　

地上波放送が 地デジになった際にテレビとＤＶＤプレーヤーを買い替えたのだが、それにはブルーレイも使用できるようになっていた。ただブルーレイと言ってもブルーレイディスクも持ってないしレンタルで借りるつもりもなかったので、それを使う場面はないだろうと思っていた。ところが今回このブルーレイの素晴らしさを痛感する事態になり少々驚いている。以前から私はケーブルテレビで放送される映画やＮＨＫＢＳでのゴルフ・アメリカツアーを ＤＶＤに録画して楽しんでいた。ただ我が家ではこれらの放送はアナログであり、以前このエッセイでも紹介したようにデジアナ変換で受診していた。

それらはデジタルと比べると画像の鮮明さでは劣るものの放送自体を楽しむのはそれ程不便はなかった。ところがそれらをＤＶＤにダビングして保存しようとするとこれはもうほとんど見るに堪えない画面になってしまう。録画する段階で画質が凄まじく劣化してしまうのだ。しかもダビングの際にＤＶＤだと倍速ダビングが出来ないので映画一編に2時間以上 要する。どうにかならないかなと思ってプレーヤーの説明書を見てみると、ブルーレイならダビングの際に６倍速まで可能だし画像も鮮明になると記載されていた。もしこれが本当なら願ったりかなったりの話でこれを使わない手はない。

早速、近くの量販店でブルーレイディスクを買ってきて試してみた。その結果、確かにダビングは速かった。今までＤＶＤの時は深夜にダビングを予約して２〜３時間かけてダビングしていたものが１０分もかからずに終わってしまう。しかもその画面は放送で見たままの画質でＤＶＤと比べると驚くほど鮮明だ。これ程の差があるのならアナログ放送の録画にはＤＶＤは使えない と感じるほどだ。しかもこのブルーレイディスクの値段が安いこと！　一枚１００円くらいなのだが、映画の場合で言えば一枚で１０時間くらい録画出来るので５作品くらいは収録できる。

技術は日進月歩だというが、これ程の技術的進歩を実感したのは久しぶりのことだった。それ程ブルーレイの性能は素晴らしいものだった。一時はデジタル放送受信のために必要な装置の設置も必要かなと思った時もあったが、これでまた暫らくは現在のデジアナ変換で十分だとほっとしている。ただこれ程優れた記録媒体がこれほど安く手に入るというのは一面では怖いことなのではないだろうか。ソニーが世界に先駆けてブルーレイの技術を開発したのに、これがもうこんなに安価に販売される状態になっている。これではソニーにとっては堪ったものではないだろう。

昨日のニュースを見ていたら、アメリカでの世界的な家電展示会でサムソンとＬＧ電気に人気が集中していて、ソニーは新しい技術がないと注目を集めてないようだった。テレビ 販売の世界シェアもこの韓国の２企業が一位二位を占めていて、日本勢は総崩れのようだ。資源が少なくて人材と技術力で世界と戦ってきた日本の現状がこれでは本当に先が思いやられると思う。もうすこし研究開発で世界的な技術を発明した企業を保護する制度はないものだろうかと思う。

今回、ブルーレイのあまりに素晴らしい画質や性能に驚くとともに、ソニーなどの世界最先端の技術が直ぐに他の国に模倣されて価格が暴落するような事態はどうにかならないものかと危惧する体験だった。