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　　ハワイ旅行

年末年始に１５年ぶりくらいだが家族でハワイに行った。家族では２回目のハワイ旅行だが、前回の旅行ではまだ小学生や幼稚園だった子供達が今回は３人とも社会人になっているので、やはり過ぎ去った年月に感慨深いものがあった。今回は最近になくカレンダーの休日の配置が良くて長期の休みがとりやすく、また子供達もこれから結婚などもあるだろうから、多分最後の家族全員そろっての海外旅行になるだろうということから決めた次第だった。

２９日夜に福岡空港を出発して、同じ２９日朝９時にホノルル空港に着いた。これは時差が１９時間あるのでそうなるのだが、今回は随分快適な旅になった。以前は朝５時前に空港に着いてこれが時差ぼけの最大の原因になった。と言うのは、ホノルルに着いた日の一日がとてつもなく永く、我慢できずに昼に寝てしまいその結果夜寝れなくて時差ぼけが持続すると言うことの悪循環を繰り返すのだった。前回の家族旅行では私以外の全員が時差ぼけで食事や旅行などでいろいろ困った事態が発生していた。真珠湾のナイトクルーズなどは私以外はメイン料理のロブスターも食べられずゲロを吐きまくっていた。

ところが今回は朝９時の到着なので、どうにか夜までもってそれから普通に就寝したのでまるで時差ぼけにならず、全行程の６日間快適に過ごせた。これは前回とは全く違った状況で旅を十分に楽しめたし、帰国してからも翌日からすぐに普通の生活を送ることが出来た。予備に翌日一日休みを取っていたが、これは全く不要なほど時差ぼけが起きない旅だった。このたった４～５時間の差は旅全体を支配するほど大きなものだったと思う。

今回、次女と息子と３人でゴルフをしたが、実は娘はゴルフ初ラウンドだった。娘は練習場では２年前くらいから打っていたはずだが、初めてのラウンドがハワイというのもプレッシャーが強かったと思う。おまけに待合場所を誤解していたため迎えのバスが来なくて、後からタクシーで追いかけてゴルフ場にはギリギリスタート時間に間にあったのだが、ストレッチをする暇もなくティーショットを打たなければならなかった。そんな状態だから娘には可哀そうだったが、青い晴天のもとでのハワイのゴルフをある程度堪能したのではないだろうか。

一度でもハワイに行った方はご存じだろうが、あちらではほとんど短パンにＴシャツにサンダルで大体のところへは行くことが出来る。デパートやレストランなどもほとんど皆その格好だ。余程格式の高いホテルではＴシャツをポロシャツにサンダルをスニーカーに換えることもあるが、大体この格好で通用する。私達も結構格式の高いレストランなどにも行ったが、せいぜいポロシャツにするくらいだった。そもそも１～２月はハワイでも年で一番気温の低くなる時期だが、それでもこの格好だから夏はどうなんだろうと思う。ただハワイの場合は年間の寒暖差がそれほど大きくないというのでそれ程の差はないのだろう。

今回の目的の一つはカウントダウン・パーティーだった。念入りに調べてシェラトンホテルのパーティーが盛り上がるというので、ここのパーティーを予約して３１日に備えた。これは入場するだけで結構な料金を取られて、おまけに中で飲む酒類は有料なのでかなり出費が大きかったが、それだけの価値はあったと今更ながら思う。それくらい盛り上がりは凄まじくて、午後８時から夜１時過ぎまでロックの大音量の曲が流れる中、仮装パーティーや踊りはたまたホテルの屋上からのパラグライダーの降下など催し物も楽しめた。その場にははるな愛ちゃんや国生さゆりさらには福岡市長なども参加していて、それぞれみんなカウントダウンの雰囲気を楽しんでいた。私もこのホテルだけはポロシャツとスニーカーに換えて参加したが、普段ほとんどＴシャツの欧米人がこの場では流石にタキシードは居ないものの、女性などはドレスを決め込んだ者も居てパーティ文化の歴史を実感した。

宿泊していたホテルではプールがあり、プールサイドにはバーが常設されていて、宿泊客は無料でカクテルなどを飲むことが出来た。そのホテルでは食事の後で広いホールでバンド演奏があり、そのカクテルなどを飲みながら聞き入っていたら後ろから私の左肩を誰かがトントンと叩いた。振り返ると４０歳代の白人女性だった。私は一瞬状況がよく理解できなかったが、皆音楽にノッテいたので多分親愛の情を示されたのだろうと思い、その女性と握手した後に視線を正面に戻して又音楽を聴き始めた。

その女性は一寸けげんな表情をして３メートルばかり離れた自分の席に戻って行ったのだが、その時その女性の向こうのスペースではテーブルなどを隅に押しやって５～６人が踊りだしていたのに気づいた。つまり彼女は近くに居た男性をダンスに誘うために来たのだった。そこで拒絶されたような形になり興ざめして自分の席に戻ったのだろう。そういう状況はすぐに気付いたのだが、また彼女のところに行ってその状況を説明して謝罪し、改めてダンスを誘うという作業は私には余りに億劫だった。

もっとも英語がもっと自在に話せればそうしたのかもしれないが、それに加えて踊りも彼女の欲する踊りを踊れるかどうか怪しかった。いろいろと考えると遂に何も言えずにそのままバンドの音楽を聴いていただけだった。これは彼女にも悪かったし、その場を楽しむという面でも私自身後悔が残る出来事だった。英会話が十分に交わせないというのは色々な面で不便さが出てくるものだと今更ながら痛感するような事だった。

最後に食事に関してはこれまでの常識を一掃するような感じだった。もともとハワイの住人からも「ハワイでは食事に関しては期待しないでください！」と言われていたくらいで、美味しい印象は全くなかった。これまで２回のハワイ旅行でも本当にうまいと感じた食事はほとんど記憶に残っていない。そういう次第で今回は妻がガイドブックを数冊買いこんで研究し初めから幾つかのレストランは決めていた。そうして乗り込んだ今回のレストランでの食事はかなりの美味だった。ハワイでもこんなにおいしい食事が出るのだと感激するほどで、やはり旅先で美味しい食事をするにはそれなりの準備も必要なのだろう。

帰国便が４時間半も遅れて少々心配したが、総じて今回の旅は満足行くものだった。福岡空港について外に出た時はそのあまりの寒さに縮み上がったが、また機会を見つけてあの常夏のハワイに行きたいものだと既に再訪の気分が芽生えている。