残虐な事件

ここ一週間であまりに残虐で酷い殺人事件が報道されている。広島での１６歳少女によるリンチ殺人事件や山口県での８世帯しかない小さな集落での５人殺人事件など 目を背けたくなるような事件が目につく。広島の事件では２１歳の成人が一人加わっているものの、あと６人は１６歳の少年少女だ。しかも加害者も被害者も少女で、少年や成年は脇役でしかないようだ。まだ全容が明らかになったわけではないが、この１６歳の少女がＬＩＮＥでのやり取りで激怒して被害者少女を誘い出して車の中で殴るけるの暴行を加え、さらに山中で車外に出して一人で暴行を加え最後に首の骨を折って死に至らせている。犯行は真夜中から夜明けまで かなりの長時間にわたって行われたという。

その間、同行していた少年少女も暴行を加えているらしい。こういう経過を見ていると、これが同じ日本人なのかと首を傾げる。これまでいろいろな類似の事件はあったが、ここまで残虐な事件はあったのだろうか。それもそのちょっと前までは同じ学校に在籍していて遊んだりしていた仲間なのだ。仲間どうしで傷害事件を起こすことはあるだろうが、 最後に首をへし折ることまでするような残酷さは日本人としてはどうしても違和感があるし理解できない。

しかも１６歳の少女だ。集団心理で気がついたら相手を死亡させていたというような事件はあったように記憶しているが、ここまで来ると背筋が凍るような恐怖を感じる。この事件は成人は大した役割をしておらず刑は軽いだろう。他の少年少女も多分軽い刑ですむと思われる。問題の少女も未成年ということでそれほど永い刑期が下されることもないだろう。となるとこの残酷極まる犯罪は 被害者サイドから見ると理不尽な結末に終わる可能性が強い。この事件の被害者はこの少女に騙されて誘い出され、車で拉致されて暗い山中で恐怖のなか長時間暴行を受けて殺された。 家族はなんとも遣り切れない思いだったろう。

ある弁護士がワイドショーで言っていたが、この年齢の少年少女は法律に馴染んでいて、下手な弁護士より少年法などの刑法に詳しいとのこと。 そういう事で少年法を理解したうえで犯行を行うケースが多い。こんな状況では殺人事件などの凶悪犯罪においては少年法も改正する必要があると思う。こういう事を言うと、すぐに人権派の弁護士がしゃしゃり出てきて、少年法の真意はどうのこうのと講釈を垂れると思うが、現実はそんな甘い 想定を遥かに超えていて少年たちを甘やかしているのだ。その被害者の立場になると、とてもそんなこと言ってはおれないと思うのだが。

山口のケースはまだほとんど全容の解明がなされてないので何とも言えないが、５人殺害というところまでぶっ飛んだ殺人事件では必ず判断能力があったかどうかが考慮されて、場合によっては刑に服さなくてもよい結末も考えられる。 穿った見方をすれば、非常識な事件ほど罰を受ける可能性が低くなるとも言えるのかも。何とも納得いかない面がある。