ヘイトスピーチ

ヘイトスピーチは在特会（在日特権を許さない市民の会）の連中が繰り広げている主に在日朝鮮人をターゲットにした抗議行動だが、そのアピール内容の酷さやデモの際に発する大音量のせいで以前から良識ある市民からは鼻つまみものだった。 ここ数年で幹部が逮捕されたり訴えられた裁判で負けたりで一時下火になったかと思っていたが、また最近行動をエスカレートさせているようだ。

在特会は勝手に市民という名を使っているが、こんな下品な集団にシンパシィーを感じている市民はごく一部だろう。彼らが繰り広げているヘイトスピーチについてもあのあまりに憎悪に 充ちた剥き出しの行動は決して快い感情を引き出さない。こういう集団が居ること自体が世界的に見れば日本の評価を下げる要素なわけで、国連から勧告を受けるような事態も引き起こすことになる。ここ数年の韓国や中国の反日行動に対して反感を抱いている一般の日本人でも、在特会のような低能で剥き出しの行動には進んで同調する者はあまりいないだろう。

昨日、橋本大阪市市長と在特会の桜井会長のディベートがあったのだが、案の定大荒れの物別れで終わって実りは何もなかった。この二人だけの会談がすんなり進むとはだれも思ってなかったろうが、それにしてもあまりにも酷い。両方ともに初めから冷静に相手の話を聞こうとする気持ちはなく、ただ相手を罵倒するのみに終始して途中で物別れになった。ただ私が特にひどいと思うのはやはり在特会のほうだ。

そもそも在特会の主張自体が社会的に受け入れられないどころか国際的に見ても問題の多い団体だ。在特会のメンバーはそういう意識を持ってないといけない。自分たちの主張は単なる腹いせや欲求不満の解消のためのもので理屈としては受け入れられるものではないとの自覚は必要だろう。最近の中国や韓国の反日 的言動で在特会も一定の支持を獲得しているようだが、 彼等はもともとは大っぴらに表を歩くことはできない日陰の存在なのだという負い目は感じていないといけない。

こういう基本的な部分に世界的な賛同を得られない要素を含んでいる運動は結局日本の評価を落とすことに繋がるのは火を見るより明らかで、日本政府は腰が重いようだが早急に法律の整備を進めてこういった団体を野放しにすることがないようにしないと後に禍根を残すことになる。この辺りが在特会のトップと写真をツーショットを撮って問題になるような閣僚がいる右寄りの安倍政権の せいなのだろうか動きが遅いと言わざるを得ない。従軍慰安婦問題もそうだが、一度定着した評価は事実誤認が元だとしてもなかなか覆すことが難しい。

ただ先日、マスコミで報道されていたが、在特会のデモには日常の社会生活で社会の底辺で蠢いて欲求不満が溜まっている人間だけが参加しているのかと思っていたら、意外とそうでもなく高学歴で社会的にもある程度恵まれている人間も ある一定の割合で居るようだ。従来、そういった人達はこれまでこの類のデモや集会に 参加することはなかったと思うが、やはりここ数年の中韓による反日的言動が影響しているのだろう。こういう事は危険な兆候でナチスドイツの勃興期にも見られた現象なので注意深い監視が必要だろう。ただし 現在の中韓との関係改善が進んで状況がもう少し落ち着いてくると、一般市民はこの運動からは遠ざかって行くはずで、そうなると在特会も自然消滅する運命なのかもしれない。