旅行

今年の年末年始もカレンダーの並びが良かったのでハワイに行ってきた。私はこれまで４回ハワイには旅行をしていたが、全てオアフ島だけだったので今回はハワイ島も３日間スケジュールを組んで回ってきた。今回感じたのは同じハワイと言ってもオアフ島とハワイ島ではかなり様相が違うということだった。一番の違いはワイキキを中心とするオアフ島は日本人が半分くらい居るのではないかと思 うほど多いが、その印象は初めてハワイに行った２６年前から一貫してそんな感じだった。 ところが今回初めてハワイ島に行ってみると、ホテルの近くにあった大きな海岸 は海水浴客でに賑わっていたが泳いでいるのはほとんど欧米人で日本人は一人もいないと言っても良いくらいだった。これはそもそもハワイ島を旅行するのは欧米人が多いことともう一つ別の理由があると思う。

そもそもハワイと言ってもオアフ島は特にホノルル周辺は開発が進んだ大都会で、そういう面で大人気で以前から日本人で賑わっている。しかしハワイ島やマウイ島は開発もホテル周辺の一部で自然がかなりの部分残っていて、観光地としてもそういう大自然を満喫するということで人気の場所のようだ。そしてこの２島は欧米人にかなり人気で日本人は少ない。やはり欧米人はそういう大自然に対して魅力を感じる面が強いのだろうと思う。これは今回行ったハワイ島もそうだったが、マウイ島ではもっとその傾向強いとツアーガイドが教えてくれた。そういうことでもともと日本人は少ないのだが、海岸にほとんど日本人が居なかったのは水温のせいじゃないかと思う。

今回、キラウエア火山の観光のオプションを選んで行ったのだが、海抜０メートルの海岸から出発して途中高度２８００メートルの地点のオニヅカビジターセンターというところで高度順化のために休憩を取った。因みにハワイ島出身のオニヅカ氏は日系アメリカ人として初めてシャトルの飛行士に選抜されながら、チャレンジャーの爆発事故で死亡した悲劇の宇宙飛行士だが彼を偲んでこういう施設が建立されている。 その２８００メートルにある施設は高度のために相当寒くて、私も海岸では短パンにＴシャツ姿だったのにこの施設ではウールのセーターにダウンを着込んでも寒がっていた。ところがその私の傍にジーンズにＴシャツ一枚という姿の外人を観た時には思わず笑いが出るほどだった。それもたった一人の変人が居たのではなくそういう人達を何人も見かけた。つまり本来北方での生活がＤＮＡに染み込んでいる白人は遺伝的に寒さに強い。ホテルでも朝冷え込んでいる時に日本人などが長袖のシャツを着こんできても彼等はまず半袖のシャツしか着てない。

そういう寒さに強い白人は今の海岸の水温はちょうど良いのかも知れない。それに反して常夏ハワイといっても一応冬の今は日本人には少し寒いのではないだろうか。ワイキキでもあれだけ日本人が多い割には海に入って泳いでいる人達は外人の割合が多いようだった。そういうことで特にハワイ島の海岸では外人ばかりが目立つ感じになっていたのだろうと思う。こういうことが自分の目で実感できることが旅の醍醐味で、 私としては美しい観光地を観てまわるのも良いがそれ以上にこういう異邦人の行動や習慣といったものを目にすることに興味が涌く。

そういうことで言えば、我々と同じホテルからコナ空港まで一緒に移動したアメリカ人夫婦にも大変興味がそそられた。我々の居たヒルトンホテルは１５００人が宿泊していたほど巨大で、ホテル間はトラムという小型の汽車で移動するようになっていた。帰国の日にそのアメリカ人夫婦は大きな旅行鞄を５つほど携えて同じトラムに乗り込もうとしていたのだが、停車時間が短いのを気にして夫のほうは汗だくで ５つの重い鞄をトラムの車内に入れてた。ところが妻のほうは先に乗り込んで涼しい顔でそれを見ているだけ。この夫婦は関係が悪いのかと思ったが、車内に乗り込むと笑顔で喋り続けゐていた。そしてコナ空港に着くと待合室で３０秒にも及ぶキスをしていた。つまりあのカバン類 の運搬は夫の仕事なのだろう。そしてご褒美にキスを与えて労をねぎらっていたのかも知れない。

こういう日本では体験できない光景を身近に味わえるのが旅の醍醐味だと思う。 そういうことで旅にはいろいろな楽しみ方があり日常生活では味わえない有意義な面も多いが、１０時間もあの狭い座席に座り続けるのは次第に苦痛を覚えるようになって来ている。ビジネスクラスにすればフルフラットで寝ていけるので相当に楽だが、それでなくてもバカ高い正月の旅行代金が一気に倍に跳ね上がるのでこれもそう簡単に解決できる問題ではない。そういうことを考慮しても楽しみの多い旅行ではあるが・・・。