再犯防止

お盆期間中に 大阪寝屋川市の中学一年の男女が変質者に襲われて命を奪われる痛ましい事件が起きた。こういう事件を耳にするといつも思うのだが、どうして日本はこういう性犯罪に甘いのか理解できない 気分に見舞われる。多分、犯人の人権を考慮してのことだろうが、どの地域にどんな罪を犯した性犯罪者が居るのか、日本ではまるで知ることが出来ない。もしそういう知識があれば住民も対処の仕方があると思うのだが、日本ではいわゆる人権の壁が大きく立ちはだかっている感じだ。

アメリカなどは性犯罪者に対しては社会的更生などより住民を守ることを徹底的に優先している。州によって差はあるものの、性犯罪者にＧＰＳを装着したり、ホームページでどんな性犯罪者がどこに住んでいるのか簡単に知ることが出来るし、 もっと凄いのは表札に性犯罪歴を記載しないと住めないようにしている州もある。つまり住民にはどんな性犯罪者が何処に居るのか一目瞭然なのだ。それを基に住民は自衛をすることが出来る。

もちろんこれ程情報を表に出すと、性犯罪を犯した者は出所後に社会復帰することはかなり難しい。むしろ法律によって一般的な社会復帰をできないようにしていると言っても良いくらいだ。アメリカの場合はそれでもボランティアなどの制度が発達しているので、それで即出所者が路頭に迷うことは防ぐシステムはあるのだろう。それにしてもここまで徹底的に性犯罪者を野放しにしない制度を作っているのは根底に性犯罪者の再犯率の高さが影響しているのだろう。つまり性犯罪者は治らないで同じ犯罪を繰り返すという大前提があるからだろう。

日本はその点牧歌的というか、どんな犯罪者も懇切丁寧に対処すれば更生してまともな社会人になれるという理想というか建前があるのだろう。 そこからどんな性犯罪者でも一旦刑に服して出所した段階では、プライバシーを尊重して口が裂けてもその人物の情報を開示することはない。住民としては知らぬが仏だ。 そういう制度のおかげで性犯罪を犯した者も更生して社会生活を送れるようになることが可能になったケースもあると思う。それは日本式のメリットと言えるかもしれない。ただその逆のケースで再犯によってレイプや暴行の犠牲者が出てくる危険性もある。これは考えようによっては非常に怖い話で、 制度によって防ぐことが出来る犠牲者を生み出していることになる。つまり都会に猛獣を放してその牙で犠牲者が出ているようなものだ。

欧米のような人権に敏感な国々がなぜこのような対処が出来て、世界標準からは死刑存続や取り調べの可視化の欠如など人権に疎いと思われている日本が出来ないのか、この点が不思議でならない。やろうと思えばすぐにでも出来そうなことなのに何がネックになっているのだろう？ 　日本的な性犯罪に対する甘い認識が原因なのか、誤った人権意識が根底にあるのか？　どちらにしろその気になれば防ぐことが出来る性犯罪による被害を本気に取り組む時期に来ていると思うのだが、こういう犯罪に絶大な効果を発揮する防犯カメラの設置に未だに反対を唱える人権グループが居る現状ではそれもまだまだ難しいのかも知れない。