幼稚な安倍政権

また安倍内閣の不祥事がマスコミを賑わしている。「桜を見る会」問題だが、今回もモリカケ問題などと同じ内容でよくもまあ同じような不祥事を繰り返すものだと思う。つまり身内や関係者への不適切な利益誘導、政治や税金の私物化、公文書の廃棄で証拠隠滅などにより国民に説明せず問題の追及から逃げる。この安倍政権の酷さ加減は呆れるばかりだが、先日亡くなったばかりの中曽根元首相などと比べるとその幼稚さ や下品さは際立っている。

長期政権ということでは歴代一位という立派さだが、内閣の重厚さや品格と言う面では最低の内閣だと思う。とにかくお友達と関係者で仲良し内閣を作り彼らを優遇し誰からも非難されない状態でお山の大将として好き勝手を行う。 総理ともあろうお人が国会では野党の非難に 子供のように反応してすぐ切れて汚いヤジを飛ばす、まるで出来の悪い駄々っ子のようだ。そこには吉田、佐藤、田中角栄、中曽根などの歴代宰相に感じられた総理としての品格も国を思う志も全く窺われない。

今回の事件も従来までの歴代内閣だとこれだけで政権がぶっ飛ぶくらいの危険な要素を抱えているが多分どうにか乗り切ってしまうのだろう。それくらい今の安倍内閣は長期政権による官僚と政治家のスクラムの強さが際立っている。これはもう今の官僚の人事を内閣が一手に握るシステムを変える必要があると思わざるを得ない。つまり官僚が上ばかり見て内閣中枢の政治家を忖度して政治家の汚点を表に出さないように、公文書の隠匿や廃棄を率先して行って証拠資料を出さないようにしている可能性が高い。また問題になりそうな芽を摘んで野党勢力の追及をかわす手助けを率先していると思われる。

現在問題になっているマルチ商法のジャパンライフ関連の不祥事もそうで、単に山口会長が昨年桜を見る会に招待されてそれを宣伝に利用したという単純なことではなく、既に２０年以上前からかなりの被害者が出ていて国会でも問題視され追及されていた。 また消費者庁が一時その問題点を調べようとした時には政治圧力で追及を中止したことも問題視されつつある。そのような政治的な力のためか山口会長は何度か辞任に追い込まれていたが、その度に政治家の力を利用して会長に復帰するのを繰り返してきた。 この会社は安倍首相の父親の安倍慎太郎代議士の頃から政治献金などの関係があり、その当時現首相は父親の政治秘書をしていて実際的な対応をしていた可能性が高い。そんな昔からの縁があるのだ。それでも国会では自分は全く関係なくて妻も関与していないとの答弁を繰り返している。

官僚もこの夫婦との関連を疑わせる６０番という招待状の区分番号を首相と関係あるのかどうか分からないと白々しく答えている。聞いているほうがバカバカしくなるような答弁だが、政権に自分たちの出世を握られている現状では致し方ないのかもしれない。そのシステム自体が問題なのだと思う。また桜を見る会の出席表も野党からの国会質問があったその日にシュレッダーにかけて粉砕しているし、官僚は何処までも内閣に従順な 従僕と化している。 ６０年前の安倍首相のお祖父さんである岸元首相による「桜を見る会」出席者表は今でも保存されていて全員の名前が分かるのに、たった一年前の出席者名簿が廃棄されているというのは明らかに政権中枢の指示があったとしか考えられない。

このように歴代最低の内閣だろうと思うが、若者を中心とした働く世代にはそうでもないようで選挙にはめっぽう強さを発揮する。多分次回の選挙でも野党をものともせず勝利するのではないだろうか。これは非正規雇用が多いにもかかわらず 名目上は失業率が低く、またバラマキ政策で好景気を演出して一見経済や雇用が上手くいっている雰囲気のせいかもしれない。これはいずれ次の政権が財政を是正する必要が出てきて化けの皮が剥がれることになるとは思うが、それは次の総理大臣の責任ということになるので安倍首相には被害は及ばないし 安倍は知らぬ存ぜぬだろう 。所詮、選挙民以上の政治家は出てこないということなのかもしれない。哀しいかなこれが今の日本の政治的な現状なのだろう。