健診の結果


新型コロナウィルスのパンデミックが巻き起こって以来、この一年間はどうしても家での滞在時間が多くなり特に夜はほとんど外出しない生活になっている。そういう事情で私のような酒飲みは酒量が増えがちでそれは自分でも自覚していて、どうにかしようとは思ってはいたが以前と比べると 過剰摂取の状態だ。私の場合は酒だけを飲むことはほとんどなく酒を飲むというより食事の際の食前酒から始まり食事を楽しむためにごはん代わりに呑むことがほとんどだ。そのため夕食にはほとんどご飯は出てこないで料理に合わせてビール、ワイン、焼酎、日本酒を飲むことが多い。ただ一回の食事でこれらをすべて飲むことはなく、食前酒的にビールから始まり肉の時はワイン、魚系では焼酎を飲むのが一般的でそれでだいたいは終わり食後に飲むことはあまりなかった。

ただこの一年は食事が終わってテレビなどを見ている時にさらにナッツなどを摘まみながら焼酎かワイン、日本酒を追加することが多くなった。それはその日の気分次第でその３つのうちどれか一つを追加して飲むのだが 、当然その分だけアルコール量は増えてきていてトータルで２単位に抑えるようにしていたのに３単位、多い時には４単位にまで増えている。この単位というのはアルコール量２０グラムを一単位として缶ビール一缶、ワイングラス一杯が一単位になる。厚生省も一日２単位以内ということを推奨している。これは我ながらどうも良くないと思っていたので、コロナのせいで延び延びになっていた今年の特定健診を受けて、その結果γ-GTPや脂質代謝等で悪いデータが出る可能性が高くそれを契機に酒量を減らそうと考えていた。

そこで先週に友人の内科医にメールで特定健診の予約を取って健診に臨んだ。その結果は翌日ファックスで送られてきたがなんと全ての項目で正常値だった。その内容も今回が最も良いデータだった。健診のデータは白か黒かではなく正常値でも異常値に近い数値と正常域の中で真ん中あたりにあるのではその意味が違ってくる。今回のデータを見るとこれまで正常値の上限のほうだったものも正常値の中間値まで下がっていたりでどこに出しても恥ずかしくないデータになっていた。一番気にかかっていたγ-GTPやGOT、GPTなどアルコールの影響を受けやすい項目やメタボに直結する脂質系のデータはこれまで３０年以上受けてきた健診のなかでもっとも良いものだった。

振り返ってみると３５歳から毎年健診を受けるか自分で採血してチェックしているが、30代や40代後半まではかなり悪いデータだった。特にコレステロールなどの脂質系のデータや肝臓系のデータは異常域にあった。これらは両親が糖尿病だったため心配 していて４０代半ばくらいからダイエットに励んだりしたが世の人々と同じでなかなか上手くいかなかった。体重も７５〜７８キロくらいで身長は１７６センチとは言え少々肥満気味になっていた。それが今考えると期せずして糖質ダイエットになると思うが、夕食のご飯を抜いたら 半年で体重も６８〜７０キロで血液データも正常値に近くなった。それ以来概ねデータは正常値近辺で体重もリバウンドすることもなかった。それはダイエットの場合にいろいろ我慢する必要があるので失敗するのだが、私の場合は酒で料理を食べてその時点でさらにご飯を食べようという気持ちにならないほど満足するのでほとんど我慢している感覚がない。そういうことでリバウンドもしにくい結構良い方法だ ったと思う。

その後、マスコミなどで糖質制限が一般的に広まってきて自分がやってきたのはまさにこの糖質制限ダイエットだったとの認識に至った。そこで私のしてきた方法に微調整して昼の弁当のごはん量を半分にして豆腐を４００グラム追加した。これはご飯を半分に減らすだけではお腹がすくしそれを糖質以外で補充する必要がある。豆腐４００グラムはかなりの量だがほとんどたんぱく質で糖質は少ない。トータルのカロリーは増えるが糖質ダイエットではカロリーはそれほど重要視する必要はない。おまけに豆腐は大好物でそれをこれだけ食べることが出来る昼食は至福の時間だ。またそれまで半ドンの日には 弁当ではなくほとんど蕎麦やラーメンの大盛りを食べていたが、これを普通盛にして残りの分をおでんや天ぷらなど糖質以外のものに置き換えた。

その結果、体重もさらに落ちて６４キロ前後になり血液データもさらに改善していった。そういうことでメタボもなしで血圧も正常、血液データも正常という私の年齢では珍しいくらい健康体になっている。当然、毎日飲んでいる薬もないし衣服も20代で来ていたものが着れるのでクローゼットには時代遅れの衣料が溜まりに溜まっている。おまけに自分で何も我慢せずに好きなものを目いっぱい食べて飲んでいるだけというのが最高でストレスもたまらない。ここまで書いてくると申し分ない方法で何の問題もないような気がしてくるが実はそうでもない点がある。やはり酒量に関してだが、どうしてもこれを減らすのが難し。今回もこの素晴らしいデータによって減酒のモチベーションが完全に吹っ飛んでしまって相変わらず３単位以上飲んでいる。この完璧なデータが良かったのか悪かったのか？

これには妻からも「体ばっかり元気で頭はアルコールでやられて暴れるようになったら、面倒見れないから施設に入れるからね！」と言われる有様。まあ確かにそういう状態は最悪なので少しは量を減らそうと思ってはいるが、毎日仕事が終わっての晩餐で料理に合わせて酒を選び、その酒を味わうところまでこの楽しみはなかなか止めるわけにはいかない。 このコロナ禍でのストレス発散にもなっている。ただ何か工夫しなければならないとは思っているのだが、酒は美味いし血液データは良いしでなかなか減酒のモチベーションが上がらない・・・。