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　　皇室利用

ここのところ真子様の結婚問題に関してワイドショーなどで頻繁に報道されている。これはそもそも４年前に婚約が決まって結婚という道筋を進むはずだったのだが、婚約者の小室圭氏の母親の借金問題に端を発したスキャンダルで今日まで延び延びになっていたものだ。先日の宮内庁の発表では真子様は現在複雑性ＰＴＳＤでかなり苦しんでいる状態らしい。この発表の内容は世間的にもかなり予想しなかったことで、不意を突かれたわけでもないだろうが世間のバッシングも少し沈静化しつつあるようだ。

そもそもこの４年間のバッシングは相当酷くて大勢がこの二人を攻撃していた。これほどのバッシングを受けるとかなりタフな人間でも精神に変調を来すことは想像に難くない。特に真子様のように生まれてこの方世間の荒波など全く無縁の生活をしてきたわけだからそのダメージはかなりのものだったんだろうと思う。小室氏にもそれはある程度似かよったものだろう。マスコミへの対応も昔の丁寧な態度とは変わっていたようだが、あれほどのバッシングが続けばそれも当然だろう。

私は真子様にそれ程の攻撃がなされたとは思ってなかったが、ＳＮＳでは真子様や秋篠宮家さらに皇室全般にも相当な攻撃がなされたようだ。このあたりがよく分らない。小室母子はかなりの疑惑があり攻撃されるのは分るがそれがどうして皇室や秋篠宮家に向かうのか。どうも小室氏を選んだ真子様が悪いとかそれを育てた秋篠宮が悪かったとかの論法で攻撃をしているようだ。さらにそれを放置していた天皇にも攻撃の矛先が向かっているとも聞く。

これはもう論外でそれは個人的な鬱憤晴らしをしているとしか思えない。そういう鬱憤晴らしで国中からバッシングをされると真子様だけでなく、皇室全般も精神的に追い詰められないとも限らない。その辺りはジャーナリズムも考えて報道しないといけないと思う。マスコミの論調がＰＴＳＤ報道以来少し沈静化しつつあるのもそういうことを反省してのことだろうと思う。

ただそれと小室母子に対する報道は区別する必要があると思う。世間では小室母の数々の疑惑が嫌悪感を醸し出していて、これから派生して小室圭氏の態度や母の借金に対する弁護などを問題にしているようだ。確かにそれは問題で遺族年金詐取や障害保険詐欺など一つ一つを見るとこういう母の子が皇室に入って良いものかという感情は理解できる。身近にそのような母親が居たらそれは出来れば付き合いをしたくないし、ましてや自分の娘がこのような青年を連れてきたらあまり歓迎はしたくない。ただそれはあくまで母親の問題で圭氏自体が悪いということではないだろう。

私が一番の問題だと思うのは母親のことでなく彼の皇室利用だ。王室のないアメリカ社会ではロイヤルファミリーへの憧れはかなり強くそれだけに将来の天皇の義理の兄という立場は社会的にも大きな利点をもたらすと思われる。彼はこれまで様々な皇室利用をして利益を得てきている。アメリカ留学での法律事務所の資金援助、フォーダム大学への入学に際して真子様のフィアンセとのプレゼン、それによる特別奨学金の取得などの大学からの特別待遇、大手法律事務所への就職などどれも皇室利用がなければ手にできなかったことばかりだ。彼は最大限にこのフィアンセと言うことを利用してのし上がってこようとしているが、これは最も嫌悪感を感じて許せないことだ。

ニューヨーク在住の日本人弁護士が彼の経歴や学歴を見て、彼の唯一の強みというか取り柄は真子様のフィアンセという点だけで、他には何も取り柄はない。世界で最も厳しいと言われるニューヨークの法曹界で彼が大手の法律事務所に就職できたのは多分皇室利用の恩恵だろうとコメントしていた。もちろんこれ自体は法律違反ではないし他人からイチャモンを付けられる点ではないかもしれない。ただ日本人として皇室利用で世の中を渡っていこうとする青年に天皇陛下の親戚にはなって欲しくないというのは誰でも抱く国民的な感情だろう。

私も母親の問題とは区別してこれだけは看過できない問題だ。「真子様が彼のような人間と結婚したら絶対に幸せになれない」という発言も多いがそれは実際には分らない。案外一生幸せに暮らしていく可能性もないわけではないだろう。事実、３年前に国民皆から祝福されて結婚した高円宮典子さまは現在夫婦破綻状態で離婚目前だと報道されている。そういうこととこの皇室利用はまた別問題だ。

私が嫌悪感を感じるのはこれほど皇室利用が明白なケースは今までなかったし、また現代の日本でこれほどの皇室利用をして平然としている青年が存在していたと言うことだ。映画「ローマの休日」で爽やかだったのはアメリカの記者ジョーがアン王女との秘密をスクープ記事にせず胸にしまって祝福したからだろう。これで彼が王女を利用してスクープを発表したらこの映画は台無しで三流映画になってしまう。ただ結婚はもう確定したし今後二人はニューヨークで生活していくことになるだろうから、圭氏もこれ以上皇室利用をすることを止めて自分の力で真子様を守っていって欲しいと願うのみだ。