統一教会と政治

先月の安倍銃撃事件でコメントした際に、安倍元首相がとばっちりで山上容疑者の銃弾に倒れたというような記述をしたが、どうやらそれは真実ではなかったような状況が次第に明らかになってきている。マスコミも安倍元首相自身は旧統一教会とは関係は薄くそれを邪推した山上容疑者が凶行に及んだという論調だったがそれも次第に変化しつつある。それどころか彼はかなり統一教会と深く関わってきていたと思われる 報道がぞくぞくと出てきている。

あの事件以来、政界の中で旧統一教会と関係していた政治家がぞくぞくと判明しているが、その大半は自民党なかでも安部派の政治家でその数は驚くほど多い。 また安部派の下村元文科相大臣は旧統一教会の名称変更に関わっている疑惑が持たれている。もちろんその中心が安倍元首相自身で彼は祝電などに収まらず、大きなイベントなどへのビデオメッセージや選挙の際に自派の候補者への旧統一教会 会員の応援の配分などかなり深い関係があったようだ。また彼の行動についてあまりに信者に対する影響が強いとの危惧を旧統一教会被害者弁護団からも安倍元首相に連絡が行ったようだが、それも全く無視で最近は選挙活動にも隠すことなく公然と利用してくるようになっていた。

こうしてみると山上容疑者の全くの邪推だと言われていた今回の凶行は案外そうとも言えず、犯行自体は非難されるべき行為だが彼なりに理屈の通った考えによって安倍元首相を銃撃したとの観測も浮かび上がってくる。それは旧統一教会への彼の母親からの 一億円を超える多額の献金で家庭が破壊され、家族や自分の人生も大きなダメージを受けたことの怨念がこの事件の元なのは詳細に報じられている。その怨念の対象が安倍元首相だというのは見当違いだと言われていたが、そうではなく安倍元首相が 最大派閥の安部派を元に自らが率先する形で旧統一教会と関連を持っていた実情が判明しつつある。 これではとばっちりどころか自業自得だとの側面もあるというのは言い過ぎだろうか？

今回の件であまりに酷く日本政治に恐怖さえ感じるのは国家公安委員長や自民党の総務会長、大臣の発言だ。日本の治安を任されているはずの国家公安委員長が旧統一教会についてどう言う活動をしているのか知らないなどと公言してその教会のイベントに参加したり、福田 総務会長は「何が問題で統一教会について世間がこんなに騒いでいるのか理解できない」などと脳天気なことを言っている。また環境大臣の山口氏は「祝電を頼まれればどんな組織からでも全て応じるので統一教会に祝電を送ったのも問題ない」と宣っている。こういう政治家の社会とずれた発言は如何に日本の政治が危機感のないところで政治家のための政治として進められているかを如実に表している。

それにしても 少なくとも安倍元首相が旧統一教会へ送ったビデオメッセージがなければ今回の事件は起こってなかった可能性が高いし、これほどの政治家と旧統一教会の結びつきの強さ深さはほとんどの人に知れることはなかった。これを考えると山上容疑者の凶行は弁解する余地はないものの、彼はこの旧統一教会と日本政界の結びつきの闇に光を当てた効果はないとは言えないと思う。彼の犯行がなければ今でも多数の政治家が旧統一教会との結びつきを反省することもなく、選挙活動や政治献金に充てていたしていた可能性が高い。

この事件は今後更に広がりを見せそうだがどこまで解明されていくのか、飽きやすい日本国民もこの件は最後まで注視していく必要がある。そうでないと以前あれほど合同結婚式や霊感商法で日本中を騒がせた旧統一教会も名前を変えただけでほとんど日本のマスコミは追求を止め、国民の関心もほとんどなくなってしまっていた現実がある。今回だけはそういった轍を踏むことを止めて旧統一教会の闇の部分を一掃させる必要があると思う。それにしてもこの母親は夫と長男二人の自殺者を出して家族を破滅させて次男がこういう大事件を起こした今でさえ、息子には謝罪の一言もなく統一教会に申しわけないとの発言しかないという宗教（カルト）の怖さには戦慄さえ覚える。