ストーカーと警察

先日ついにストーカーによる殺人が起きた。白昼堂々と女性を待ち伏せして、刺殺する精神構造は理解に苦しむが、どうも犯人は複数いたらしいとの報道が不気味だ。あのような異常な行動を取るのは、普通単独犯だという気がするが、何人か居たとなるとこれも理解に苦しむ。
どうやら世の中が本格的に病んできた証なのだろうか。

それにも増して最も気になるのが警察の対処の仕方だ。今回も事件の前からいろいろストーカー行為があって、犯人グループらしき人物が自宅にも現れて、そうとう恐怖を感じていたようだ。そこで警察にも被害届を出していたようだが、警察はそれくらいでは動けないという反応だったようだ。

こういう事件の際に何時も憤りを感じるのは、どうしてもっと警察が動けないのか、ということだ。今回の場合は被害にあった女性は、友人に自分が殺されたらその男が犯人だと言っていたらしいから、そうとう緊迫した状況だったと想像される。こんな状況でも警察は動けなくて、殺人が起こるまで手を拱いているというのなら、警察はストーカー対策にはまるで役に立たないといって過言でないと思う。

だいたい何時も思うのは日本の法律はあまりに犯罪者に寛容だという点だ。ストーカーの犯罪率はかなり高いと聞くし、それでなくてもストーカーのターゲットになった女性は相当の精神的プレッシャーを受けているはずだ。こういう輩をまだ実際に犯罪行為を犯してないからといって、野放しにして警察に駆け込んでも相手にしてくれないというのは、どう考えても甘すぎる。

今回の場合のように自宅まで押しかけられてそれでも警察が対処しないというのなら、もう最後の殺人まで行かないと警察は動かないということなのか。これではストーカーの被害者は肉体的な被害を受けるまで、もしくは殺されるまで怯えなければならないということになる。

まったく日本の警察はどうにかしているとしか思えない。先日、私の診療所を５０才台の男性が顔中を殴られた悲惨な状態で受診した。話を聞くと、近くのコンビニの駐車場で１０代の男女２人がもめていたのでチラッと見たら、その瞬間にガンをつけたと言って殴りかかってきて、顔面をこぶしで殴って倒れたところを足で何度も蹴り上げられた、と言うことだった。この男性は小柄で、犯人は大柄だったそうだからたまったものではない。

顔はどす黒く腫上がり口が開けにくくなっていて、耳鳴りが止まらないとの事だった。オヤジ狩りと言う行為を聞くがまさに、そのような事件なのだろう。未だに犯人は捕まってないようだが、これなどは早く捕まえておかないと、同様な事件が波及しそうな感じがする。

私など暗い夜道を徒歩通勤しているが、時々不審な人物を見かけることがある。私の場合は大柄な男なので、今までチョッカイをかけられたことはないが、女性はかなり恐怖を感じているのではないだろうか。
とにかくストーカーにしろオヤジ狩にしろ厳しく徹底的に摘発して、再犯を防ぐことが肝要にだろう。日本の警察に、犯罪に対してもっと毅然とした態度を望みたいものだ。