第８波


ここのところコロナウィルスの第８波の流行が凄いことになっている。それは昨年夏の脅威的なパンデミックだった第７波を凌ぐほどの流行だと思う。現在、報道では第７波のピークを超せてはないようだが その数字は以前と違っていて、今は感染者自身が抗原キットで自己検査をしてネットなどで報告することが基本になっているので報告しない例も多いと思われる。もちろん医療機関受診して陽性判明したケースは報告されるがそれでも以前のように保健所にHersysなどで詳細な報告はしていない。そういうことで厚生省などへ上がっている情報が７波までとは違うので比較が難しい。

私の医院での発熱外来での患者数や周囲の人達の感染状況を見ると明らかに８波の状況のほうが酷いと思う。私の友人や知り合いの家庭でもかなりの感染者を出している。ただ５回目の予防接種を受けた人達では未だに感染者を見ていないので、多分現在の状況が酷いのは７波までとは違ってオミクロン株対応の５回目接種を受けている人が少ないことが原因の一つだろう。それにプラスして年末年始の人々の流動が大きかったことも影響していると思われる。

そういうことで今は毎日限度枠一杯の２０名発熱外来で診察してそのうちの１０〜１５名がコロナ陽性者になっている。私は５回目接種済ませているがそれでもこの勢いでは自分への感染を１００％防げるかどうか確信を持てない状態だ。ただ５回目接種を済ませて毎日コロナ患者を診察していると多分体内の免疫力はかなり高いと思われるので万が一感染したとしても症状は軽いんじゃないかと推測している。こういう状況だが世間も次第にウィズコロナで社会生活も普段の者に変化しつつあるようだ。政府の後押しもあり旅行などもここのところ大々的に盛んになってきている。

そういうことが現在の８波の流行に繋がっている面もあるが、何時までも引きこもってばかりでは社会の復興も難しいだろうからこれもしようがないのだろう。我々もゴルフ以外はほとんどしないで日々を送ってきたが次第に宴会や学会も催されるようになってきている。このまま流行が収束して普通の社会に戻っていくのが最善だが、それに対してネガティブな要素もいくつか見られる。その最大のものは中国の問題だ。

中国がこれまでのゼロコロナ政策から全く制限なしの極端な政策変更を行って、それ以来中国内で５〜８億人が感染しているのではないかとの予測が出ている。それはＷＨＯもそういう観測でこれに対して世界中が中国からのウィルス流入を阻止すべく対応を変更してきている。欧米はもとよりアジアでも日本、韓国などかなり厳しい検査態勢を決めた。それに対して中国らしいと言えばそうだが、日本と韓国に対してビザ発給止めという暴挙に出た。何か自国に不利な対応がなされるとほとんどけんか腰で無茶な政策を執る中国らしい対応だが、これがまた中国が世界中に新しい変異株をまき散らすことにならないか心配だ。

そもそもゼロコロナ政策という非科学的な方策で失敗しそれを今度は極端な制限なしの政策を執り、結果一気に全国的に感染者を充満させたことの責任を全く自覚していない。さらに問題はそういう他国へ力尽くで政策を変えさせようとすることが欧米の国々には発せられないことだ。日本などと同じ対応を取っている欧米の国々には全く黙っていて、日本と韓国だけにビザ発注を止めるというセコい政策を執っている。この品のなさには開いた口がふさがらないという感じだがそれが中国という国の品格なんだろう。

そういう中国に関しては対応を緩めることなく、あの数億人と言われる膨大な患者数を水際で止めることが今後の流行の収束に繋がると言っても過言ではない。あのジャイアンみたいな国の嫌がらせに臆することなく、ちゃんと検疫を全うして欲しい。そういうことで現在の第８波のパンデミックが一刻でも早く収束することを願っているし、そのためには出来るだけのことはやっていきたいと思う。