ジャニーズ事務所会見


先月の記者会見から僅かの時間を置いて２回目の会見を設けたジャニーズ事務所だがこれが更に火に油を注ぐ状態になっている。この大元は結局ジャニーズ事務所側が心底反省をしてなくて、どうにか世間目を最小限の攻撃で逃れて被害を少なくしようという思惑が空回りをしているとしか考えられない。そのため今回騒動になっている 指名ＮＧ記者を決めてその６人には発言の指名を出さないことにしていた。そのため記者会見の場が荒れたのだがそこには口先では反省を発しながらこれまでのように狡猾なジャニーズ事務所の姿が見え隠れしていた。

つまり事前の打ち合わせで指名ＮＧ記者を決めてそれにクレームが出てくるのは想定していながら責任者の井ノ原氏が「みなさん、落ち着いてください。子供達や性被害を受けた人達がこの現状を見ると悲しがるので冷静にお願いします」などと被害者達を上手く隠れ蓑にして記者達の分断を図っていた。 彼はファンの間では人柄に人気があるようだが実際は結構な策士だと思う。それに上手く乗せられた記者達は彼の発言に拍手で歓迎していた。これなどは日本のマスコミの幼稚さを表していたが、マスコミはこれまで自分たちの不甲斐なさでここまでジャニー喜多川の性加害を拡大させた責任を少しでも感じているのだろうか。

そもそもジャニーズ事務所を解散して新しく作られる新会社に東山、井ノ原の二人が社長と副社長になること自体が現在のバッシングを切り抜けるための姑息な対応策としか思えない。 井ノ原は先ほど述べたように表裏のある策士だし、東山にしても本人が加害者であったことを報道されているくらいで 永年ジャニー喜多川の片腕として働いてきたと非難されている人物だ。その彼が社長になるという発想がどうも信じられない。どこまで本気でこの問題に向き合っているのか頭を傾げたくなる 程だ。

指名ＮＧ記者を決めていたことが暴露されてから更にバッシングの嵐が巻き起こったため第３回目の記者会見を開催する流れが出てきたが、ジャニーズ事務所自体が記者会見を穏便に済ますという提案を出していたことも明らかになった上はもうこれは拒否できないだろう。そして第３回目の記者会見は司会は交代して公平な司会者を据えないと世の中は納得しないだろう。前回の司会者は元ＮＨＫのアナウンサーでこれまでもいろいろ悪評が立っていた人物らしいが、２回目の会見で彼が見せた不公平極まりない司会ぶりは混乱に拍車をかける働きしかしなかった。２時間の間に６人のＮＧ記者リストのうち一人しか発言の指名をせず、しかも「顔が覚えられなくなった」と発言して、この指名が当たったこの一人も間違いで当たっただけだと白状したようなものだ。全くこれまでの こういう類いの会見の中でもかなり酷い会場運営だった。

そういうことで３回目の会見は東山、井ノ原の二人がそのままトップに就くのかどうか、ジュリー氏の１００％保持している株を本当に処分するのかまたジュリー氏が代表取締役社長の地位を本当に手放すかという問題、被害者への補償の具体策などが記者達から質問が出てくるものと思われる。それらに真摯に対処するかどうかで今後の事務所に対するイメージはかなり変わっていくだろう。どちらにしろこれまでのように必至で逃げ切りを図るのではなく、本当にジャニー喜多川の悪行とそれを助長させてきた事務所の態度を猛省して真の意味で解体的出直しを目指すのかどうかが注目される会見になるだろう。