ノンアルコールビール
気が付けば
昨年の夏あたりから毎日の晩酌で摂取するアルコール量がかなり減ってきている。私の場合はここ４０年間ほぼ休肝日なしで飲み続けていて、友人などからよくそれで肝臓などの傷害が出ないものだと感心されたりするが自分でもそう感じていた。毎年、定期健診は受けているのでなにか問題が出れば休肝日なり酒の減量を考えようと思っていたが、幸か不幸か健診のデータは
いつも全く正常で減酒の切欠もなかった。
そういう経緯でここ数十年晩酌にビールから始まり料理により焼酎、ワイン、日本酒を追加して飲んでいた。下戸の妻からはアルコール依存症になるのでそろそろ量を減らしたほうが良いと常々言われていたが、酒のない晩餐は味気なく身体に問題ない以上必要性もないので変わらずにいろいろな酒を楽しんでいた。
そういう状態だったが、コロナ禍以来学会や研究会がウェッブ形式のものに変わり自宅でパソコンの前に座って参加することが多くなった。その際に実際に会場で参加する場合は飲酒して参加することはないが、ウェッブ上での学会参加の時は夕食を済ませて参加することが 多く、その時に普段通りに酒を飲んだ状態でパソコンを開いてZOOMで参加すると途中から眠気を覚えて翌朝は学会の内容をよく思い出せないようになることが多くなってきた。私も年齢とともに酒に弱くなってきたのだなと思っていたが、実際に学会などに支障が出るようになるとこれは困ったことだ。また夕食後に筋トレをしたり読書をするのが晩酌後の眠気のために億劫になりただ漫然とテレビを見て過ごすことも増えてきた。
ただ永年の習慣はおいそれとは変わらずにそのまま過ごしていた。そういう時にテレビのＣＭなどでノンアルコールビールを見る機会が増えてこれを試してみようと思うようになった。コンビニで何種類か購入して晩酌の時に飲んでみた。その感想は確かに酒量は減るだろうがビールの美味しくはなくなんだか味気ないものだった。このノンアルコールビールを晩餐で飲むのはあまり気が進まないと思った。そういうことでまた普通の酒のパターンに戻っていって減酒も何時しか忘れ去られていた。それに本当に支障があるのはウェッブ上の学会だけでそれもその時はアルコールを飲まないで学会が終わって飲めば済む話なので、特にどうしても酒を減らす意義もあまり感じないからそれ以上どうこうする気もなかった。
そういう時に雑誌でほとんどビールと見分けがつかないくらいの風味のノンアルコールビールを紹介した記事を目にした。それはアサヒのゼロと言うノンアルコールビールで、一度普通にビールを作ってそれからアルコール分だけを飛ばしてノンアルコールにするものらしい。一度ビールを作る手前他のノンアルコールビールと違って値段も高いとのこと。そういうことで風味は本物のビールと遜色なく美味しいとのこと。これは試してみる価値があると早速コンビニに行って手に入れてきた。その青い缶のノンアルコールビールは確かに値段は他のノンアルコールビールより高めだが、ビールよりは安価で思っていたほどではなかった。一度ビールを作った後もう一行程加えてアルコールを抜くのでひょっとしたらビールより値段は高いのではないかと思っていたがどういう システムか分からないがビールより安価だった。
帰宅して飲んでみるとこれはもう全くビールと見分けがつかない程のビール風味でこれだとその分アルコール摂取を減らせると思われた。晩酌でもこれまでビール＋焼酎かワインか日本酒の組み合わせだったのをノンアルコールビールのアサヒゼロ にプラスして他の酒のうち一つということになった。これで充分で酒を我慢している気分もなく自然に酒量が減っていった。これまで夕食後は眠気を抑えるのが一苦労だったのが眠気もあまり感じることはなくなり、その分夕食後の時間を有効に使える感じがする。これ程簡単に酒量を減らせるとは思わなかったが、やはりそれもこのノンアルコールビールがなかったら成就できていなかっただろう。
そういう意味ではこのアサヒゼロはメリットが大きく感謝に堪えないが一つ欠点があるとするとそれはノンアルコールビールの本質的な問題で、あのアルコールを飲んだ時のボーっとした頭のしびれるような感覚は全くないことだ。これはメリットでもあるがデメリットにもなる。仕事が終わって帰宅して晩酌の時にアルコールを飲んで一瞬脳がリラックスして解放感を味わう感覚はない。そこでどうしてもまずは他の酒を一杯飲んでその後にノンアルを飲むということになる。私の場合はまず料理によって焼酎かワイン、日本酒で肴をいただいてその後にノンアルコールビールを追加するパターンになる。これだと酒を飲んだ感覚もありアルコール量も我慢することなく抑えることができて非常に良い組み合わせだ。
ただ当然ながら徹底的に断酒したいという希望がある人にはこの組み合わせは適してない。と言うのもこのアサヒゼロを何本飲んだところでビールの風味は味わえてもアルコールでほろ酔い加減になった感覚は全く感じられない。私の場合はそもそも酒を断つという考えは初めからないので私にとっては最高のノンアルコールビールなのだが、人によってはあまり意味がないということもあるだろう。 そういうことで私としては大変重宝しているが、土曜日の午後とか日曜日の昼にビールを飲みたくなった時にも便利で、ビールの風味を味わいながらその後に車を運転したりもできる。そういうことを考慮してこのノンアルコールビールを 上手く日常生活に取り入れると結構有効な酒との付き合い方になるのではないだろうか。
そ